【ワシントン=望月洋嗣】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は28日、アフガニスタンで今年、米軍に拘束され、尋問の際に米兵に殴られたなどとする地元の少年2人の証言を報じた。オバマ米大統領は、ブッシュ前政権下で認められていたテロ容疑者に対する過酷な尋問を就任直後に禁じたが、証言が事実とすれば、「拷問」とも指摘される手法が現政権下でも続けられていたことになる。
同紙によると2人はいずれも10代で、今年3月ごろに反政府勢力タリバーンへの関与を疑われて米軍にそれぞれ拘束され、首都カブール北方のバグラム米軍基地の施設に収容された。狭い独居房に入れられ、睡眠を妨害されたほか、尋問の際に顔を殴られたなどと証言している。2人が収容されたのは、バグラム基地の通常の収容施設に併設される米特殊作戦部隊用の秘密施設とみられるという。
米国防総省の報道担当者は「個別の虐待の申し立てについては対応していない。すべての収容者はジュネーブ条約や米国の法律に従って人道的に扱われている」と同紙にコメントしている。