塩が好きだ。特にヨーロッパの荒塩。学生時代には、酒のつまみがない時に塩をなめながら日本酒を飲んだこともある。どんなものにもよくあうし、それなりの味に仕立ててくれる。焼き肉でも、サラダでも、魚でも、天ぷらでも、フライでも▼徳川家康の側室、お梶の方が「この世で一番おいしいものは塩で、この世で一番まずいものも塩だ」といった逸話は有名だが、まさに塩の加減一つでいい塩梅(あんばい)にも台無しにもなる▼新型インフルエンザ予防にうがいをする時も、水に塩を少々入れると、のどにもやさしく効果的だという。そんなことを聞いたら、ますます塩への感謝が深くなった。【望月亮一】
毎日新聞 2009年11月28日 地方版