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【神奈川】

ベルマーレ J1昇格も どうする?改修費用 築22年『平塚競技場』

2009年11月28日

Jリーグから改善要望が出されている湘南ベルマーレの平塚競技場=平塚市大原で

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 早ければ二十九日にも十一年ぶりのJリーグ一部(J1)昇格が決まる湘南ベルマーレ。地元サポーターの熱気は最高潮に達しつつあるが、意外にもホームタウン平塚市の表情がさえない。昇格に当たり、Jリーグから要望されたホームグラウンドの改修費用をどうひねり出すか、困惑しているようだ。 (加藤木信夫)

 市が管理・運営する、ベルマーレのホームグラウンド「平塚競技場」(同市大原)は築二十二年が経過。バリアフリー対応が遅れ、J1のクラブでは当たり前になった動画再生用大型映像装置も設置されていない。

 Jリーグ規約では、文字を映す電光掲示板があれば試合開催は可能。ただ同競技場の掲示板は、文字が一列に流れるスペースしかない「年代物」で、選手名を常時紹介することすらできない。

 Jリーグの担当者も「動画再生装置も電光掲示板もないJクラブのホームグラウンドは、今では平塚と愛媛だけ」と言うように、平塚の設置物を掲示板とは認識していないようだ。

 ベルマーレも、動画再生装置のほか、傾斜が少なく見えにくいと評判の良くないゴール裏の立ち見席の改修、風雨をしのぐ屋根の設置、身障者観戦スペースの改善などを市に訴えている。

 ただ、財政的に困窮している平塚市が要望に応じられるかは不透明。市は未曾有の不況による税収減に苦しむ一方、耐震基準を満たしていない本庁舎の建て替えや、ごみ焼却場新設工事など、不可避のビッグプロジェクトに直面している。

 大蔵律子市長は「改修費用にかかわる寄付を、クラブを通じてサポーターにお願いし、実行されつつあると聞いている」と歯切れが悪い。

 市内部では、ベルマーレのJ1定着を見届けた後、複数年をかけて動画再生装置を設置する案や、平塚競輪場の再生装置を移設する案が浮上。ただ競輪場案は、分解して運搬するのに一億円はかかり、実現はたやすくないという。

 

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