豊後大野市の公立おがた総合病院に入院中に亡くなった男性(当時85歳)の遺族と同市が争っていた損害賠償訴訟に関し、同市は遺族に2500万円を支払う内容の和解議案を27日の臨時市議会に提出する。1審の大分地裁は今年3月、市に約2700万円を支払うよう命じたが、市は判決を不服として福岡高裁に控訴していた。
1審の判決などによると、男性は04年1月、腰痛治療で入院。手術を受けた際、腰に床ずれが発生。患部から細菌に感染し、7月に敗血症が原因の多臓器不全で死亡した。遺族が05年7月に慰謝料など約3300万円の損害賠償を求めて提訴。大分地裁は「感染症への適切な対応を怠った」などと病院側の過失を認めた。
同病院は「高裁の和解勧告に応じて手続きを進めてきた」としている。市議会で議案が可決されれば、正式に和解となる。【古田健治】
毎日新聞 2009年11月26日 地方版