「震えが収まらず、涙もボロボロ落ちて止まらない」--。飯豊町添川の無職、佐原ナツヱさん(75)が自宅で首を絞められ殺害された事件。近所の人によると、殺人容疑で逮捕された、すぐ近くに住むナツヱさんの亡夫のおいで無職、佐原二男容疑者(57)は、ナツヱさんとの間にトラブルを起こしていたという。【浅妻博之、鈴木健太、近藤隆志】
県警捜査1課によると、ナツヱさんは顔などを殴られた後に、首を強く絞められ寝室で殺害されたとみられる。現場に土足の跡はなく、荒らされた形跡もないという。15日夕方まで元気な姿が確認されており、以後、発見された17日昼までにナツヱさんは殺害されたとみられる。夫を亡くした後、ナツヱさんは一人暮らし。
近くの無職の女性(78)によると、二男容疑者は、04年10月ごろ、ナツヱさん宅の小屋でナツヱさんを襲い、首を絞めるトラブルを起こした。ナツヱさんには「鍵をちゃんと閉めておくように」と注意したという。またナツヱさんとは週1~2度、一緒にお茶を飲む仲という別の無職の女性(85)は「トラブルの後、首に赤紫のあざがしばらく残ってナツヱさんが可哀そうだった」と話した。
美容師の女性(54)は「親族の結婚式に出るからと先月、着付けと髪を整えたばかり。旅行や手芸など多趣味で社交的な人だった」と無念そうに話した。
現場は田畑の中に住宅が点在する農村。
毎日新聞 2009年11月19日 地方版