宮崎県初の裁判員裁判で、現住建造物等放火の罪に問われた宮崎市鶴島3丁目、無職渡部実被告(47)に対し、宮崎地裁(高原正良裁判長)は19日、懲役5年(求刑懲役6年)の実刑を言い渡した。弁護側は懲役4年が相当と主張していた。
判決理由で高原裁判長は「被告は『会社から寮(アパート)から出ていけと言われたので、火を付けてやろうと考えた』と供述するなど、会社へのうっぷんが犯行動機の一つ」と述べた。
裁判員は6人すべて女性。判決後に全員記者会見に臨み、30代の裁判員は「なぜ放火したのかを考えると、被告の人となりや仕事内容が知りたくなり、質問させてもらったが、(判断は)難しかった」と心境を語った。
判決によると、渡部被告は5月15日午後1時ごろ、アパートの自室に灯油をまいて放火し、壁や柱、天井などを焼いた。
=2009/11/20付 西日本新聞朝刊=
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