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裁判員法廷@ひょうご

県内2例目は強盗傷害事件

2009年11月18日

 県内2例目の裁判員裁判が17日、神戸地裁(東尾龍一裁判長)で始まった。審理されるのは、強盗傷害などの罪に問われた無職和田強被告(60)の事件。午前中の選任手続きで裁判員6人(男性3人、女性3人)と補充裁判員2人が選ばれ、午後から公判に加わった。18日午前に結審し、午後に判決が言い渡される。(根岸拓朗、山崎聡、小野大輔)

 神戸地裁は今回、家族間の殺人未遂事件を審理した1例目より18人少ない49人に呼び出し状を送付。2人には呼び出し状が届かず、14人の期日前の辞退を許可した。実際に地裁に来たのは30人で、出席率は1例目より少し高い約91%だった。抽選に外れた候補者のうち3人が記者会見し、明石市の会社員男性(35)は「候補者になったことで制度を身近に感じた」と話した。

 公判は午後1時20分から始まった。被告は6月29日夜に強盗目的で尼崎市内のスーパーに侵入し、抵抗した男性店長(41)の左胸などを数回刺して約1カ月の重傷を負わせたとする起訴内容を認めた。検察官は冒頭陳述で、被告が生活保護費を使い果たしたために自宅近くのスーパーでの強盗を考えたと指摘。法廷に設置されたモニターに犯行現場の写真や平面図を映しながら説明した。

 これに対し、弁護人は「取り押さえられないように包丁を振り回した結果、刺さってしまった」と主張。被告は店長への謝罪文を読み上げた。

 被告への質問では、女性の裁判員が「けがをさせたことへの反省は伝わりましたが、強盗に入ったことについてはどうですか」と聞くなど、6人の裁判員全員が被告の反省の度合いなどに関する質問を投げかけた。また、男性の裁判員は「パチンコや競艇をやめて生活保護で生活する自信はありますか」と尋ね、被告は「あります」と答えた。

 閉廷後、弁護人の酒井浩弁護士は「裁判員にはしっかり話を聞いていただいた。質問は的確だった」と語った。

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