生駒市の新病院設立問題で、県医師会の塩見俊次会長は25日、橿原市の県医師会館で記者会見し、市の「病院事業推進委員会」が休止状態に陥っていることについて、議論のやり直しと答申案への少数意見の記載を求めた。
推進委は、医師会代表を含む3委員が辞任。山下真市長は「実質的に審議は尽くされた」として議論を打ち切り、辞任した委員らに意見があれば27日まで出すよう求めていた。
塩見会長は「途中で議論が終わってこれが答申だと言うのはおかしい。やり方が荒っぽい。委員会の継続が実現できなかったのは不愉快」と批判した。医師会代表の大澤英一委員と、辞任した生駒市医師会代表の有山武志副委員長、生駒地区医師会代表の松井一哲委員は、答申案を認めない意向を伝えるという。
山下市長は、12月定例市議会に関連予算案などを提案する方針だが、塩見会長は「建設可能で持続可能な病院にするため、一つ残らず議論して初めて答申ができる。このままでは市民にとって不幸なことだ」と述べた。【岡奈津希】
毎日新聞 2009年11月26日 地方版