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いつになったら「燃えないペンキ」をつくるんだ?

 この週末は品川周辺に屯ろしていますので、御用の方は、都内ででもお目にかかりましょう。

 さて、以前に愛読していた、どなたかの、内航船のブログ(これは写真が素晴らしかった)で、〈韓国貨物船は絶対に針路を譲らない〉、とか書いてあったのを記憶します。そんなんで事故は起きぬのかと思っていたら、やっぱり起きましたかい。

 しかし、旧海軍の三保関事件の艦首切断のときだって、「炎上」はしていないはずだ(ただいま書籍を取り寄せて確認する前段階)。今回、ぜんたいなにゆえに火災が……?

 それに、旧海軍は、ミッドウェーの直後だか、かなり後だかの、負けがこんできた段階で、艦内の塗料をぜんぶ、掻き落としたんじゃなかったっけ? 燃えるものは塗料といえどもダメなのだという、大反省をしたのじゃなかったか? それともあれは米海軍だった?

 この反省の足りない海軍は、いまだに、艦内に木製備品をたくさんしつらえてある――とかの話もどこかで読んだ覚えがあります。

 また、フォークランド紛争のあと、燃えない水性塗料が研究されたとかいう報道も読んだような気がします。
 それが普及しない理由は、「高価だから」と聞いた。そんなの理由になるかよ? 戦争するんだぜ、軍艦は。

 安い不燃ペイントや、それを見苦しく見せずに仕上げる吹き付けロボットを工夫する時間は、いままでに十分にあった。それができていないのは、関係者が怠けていたのだ。

 次。アジアンディフェンスの2009-10-29付、ERIC SCHMITT氏の記事「U.S. Speeds Aid to Pakistan to Fight Taliban」。

  10機の Mi-17 兵員輸送ヘリ、攻撃ヘリのコブラ、暗視ゴーグル、ボディアーマー、ゲリラの携帯電話を探知盗聴する装置などが、米国からパキスタンにどしどし送られている。
 〔なぜ米国製の中古輸送ヘリじゃいけないのかよくわからないんだが、〕わざわざロシア製のミルを米軍がリースしてやる。6月にすでに4機が渡されているという。

 さらにUAVの画像情報をパキ軍に提供してやる。パキ軍のスペックダウン型のF-16のための少々マトモな爆撃照準装置も供給するらしい。
 8月いらい、パキの軍・警察の訓練のため150人の米人がパキ入りしている。ただしその米人は戦闘には加入しない。※オイオイ、ジョンソン政権時代のベトナム向け「軍事アドバイザー」の復活かよ!

 ただし米国は、無人のプレデターと、有人のアパッチヘリの、対パキ軍供与は、求められながら、拒んでいる。

 米のパキ支援は巨額だ。2001-9-11いらい、およそ $12 billion にもなっている。
 ペンタゴンは毎年 $1 billion も、パキ政府の兵力展開経費を補填してやっている。そのカネで10万のパキスタン政府軍兵士が、アフガン国境に展開されているのだ。

 2009だけでも、ペンタゴンは $500 million 以上を、パキに対する武器や対テロ訓練支援のために使った。
 そのうち $13 million 近くは、携帯電話の電波盗聴装置である。

 7月、ペンタゴンはパキスタンに、 200 個の暗視ゴーグル、100個の昼夜兼用スコープ、 600 個以上の無線機、 9,475 着のボディアーマーを補給した。
 パキ将校を米国に招いて対テロの学習をさせるプログラムも強化中、ですと。

 これに関連して面白い記事が、NYT電子版 の Op-Ed にロシア人の VICTOR SEBESTYEN氏が2009-10-28付で載せている記事「Transcripts of Defeat」です。ヒマがないため抄訳しませんけど、いま米軍はアフガンのソ連軍と同じことを反復しているんだぞ、という警告です。
 なるほど、ソ連軍は9年目でやっとこさ面目を保ちつつ撤収したが、それはソ連圏崩壊に直結してしまった。あと1年で米軍は旧ソ連軍に並んでしまうかもしれないのですなぁ。アメリカ帝国の崩壊がそれに続くのかどうかという瀬戸際なのかもしれませんぜ。

 ……で、それについての兵頭のまったく異なった提案は、月刊『正論』12月号(11/1が日曜ですので、たぶん10/31には出る)のクロスラインに載る予定ですから、本屋で立ち読みしてみてください。

 いまの米論壇は、アフガン問題を語るのに、60年代のベトナムの事例を持ち出すか、80年代のソ連のアフガン経験をもちだすかの、2種類のパターンしかありません。軍事と政治の両方に強い、錚々たる執筆陣が、おしなべてそのパターンです。

 〈おまえらアタマがカタくなってるんじゃないのか、そうじゃないだろう〉と、史論の見本を見せようというのが、兵頭の『正論』記事です。日本語でしか書けないのが残念です。

必要なのは超低空用パラシュートではないのか?

 『MILTECH』のスタッフライターによる2009-10-26記事:「Soldiers Test Army's Newest Parachute」。
 米陸軍が50年以上も使ってきた「T-10」型落下傘が、ついに新型の「T-11」型に更新される。
 キャノピー(傘体)は長方形で、畳めば、よりコンパクト。しかし、面積はT-10より大。よって沈降速度はT-10よりもだいたい4秒遅くなる。
 また、今までより100 pounds 多い重量も吊り下げられる。
 開傘(canopy deployment)はスムーズだし、降下中の動揺は最小である。
 着地がソフトになるから、〔足や背骨の〕負傷も防げる。
 2009-11に最初の部隊がこいつの慣熟訓練を終え、2014に、全陸軍がこの落下傘に切り替わる。

 ……というのだが、昔どこかで聞いた説明では、軍用傘はレジャー用の落下傘よりも沈降速度をわざと大にしてあり、だからこそ、空中で長時間モタモタすることがなく、奇襲任務に適している――んじゃありませんでしたっけ?

 かつて、日航機が御巣鷹尾根に墜落したとき、自衛隊はその夜のうちにヘリから偵察員を先行降下させることができなかった。というのは、当時の自衛隊のヒューイにはIRカメラどころか白色光サーチライトすらなく、夜間のNOEができない。もちろんレーザー高度計などもない。高圧電線のありかも分からない場所だからリペリングどころじゃない。さりとてテキトーな高度から空挺隊員を飛び降りさせるのも、ためらわれた。それはいくら厳重な股間プロテクター、フルフェイス・プロテクターをつけさせたところで、やはり樹木に激突したり、険悪なガレ場に落ちて重症を負わせる危険があったからだ。平時の活動で虎の児の隊員に大怪我させるわけにはいかなかったのだろう――とわたしは想像してます。

 軍用傘の沈降速度を高めに設定しておくことは、地図情報も十分で、暗視装備が充実している米軍ですら、デメリットの方が大きい、と認定されたのでしょうか? だとしたら、自衛隊の需品科も、思い切って「パラフォイル」のようなものを工夫し、夜間にどんなところへ降下を命じても平気なものを研究したらどうでしょう。いまどき、平時の訓練で背骨を傷める空挺隊員を量産し続けるのは、時代錯誤のように見えます。

まもなく地方書店に『近代未満の軍人たち』と『有坂銃』が出ます。

 ディフェンスニューズの2009-10-26記事、豪州海軍の制服の親玉 Vice Adm. Russ Crane へのインタビュー。
 なんと提督は、兵曹からの叩き上げだ。掃海の専門家。

 豪海軍は Arabian Gulf に7年間も艦隊を派遣して米国に協力しつつある。
 その豪州海軍もいよいよイージス艦を持つ。ただしMDをやるとは言ってない。

 また、スペインの造船所に2隻の 26,000トンの強襲揚陸艦を発注する。これが豪州で最大の艦となる。強襲艦の導入により、海軍定員を700 人増やさねばなるまい。
 すでにスキージャンプは有しているが、海軍が固定翼機を運用するかどうかは決めていない。F-35がどうなるかもまだあいまい。

 6隻の既存潜水艦は近代化する。
 ところが乗り手が足りない。人数としてホントは半分足りない。
 豪州西部でレアメタル鉱山がブームになっている。そっちの給料がいいから、誰もが水兵になるより鉱夫になろうとするんだ。潜水艦基地も豪州西部なのでとりあいになってしまう。

 米海軍はこれから潜水艦に女を乗せようと計画しているが、なんと豪州海軍は1999から乗せている。水兵もいれば将校もいる。
 ゲイだろうと構わん。complete diversity【多様性】が豪海軍のポリシーだ。
 ※ここを読んで「インザネイヴィ」という歌を思い出した人はわたしだけではないはず。「キミを求む!」「潜水艦でいったいナニすればいいんだよ!?」

 シナ海軍は脅威とは思わん。経済成長に伴っているだけさ。

 次。 ASIAN DEFENCE の2009-10-25の記事「Gulf Air Forces In Review」By Mohammed Ahmedullah氏。
 サウジはロシア製の高性能防空システムを買おうとしている。狙いはひょっとすると、サウジがロシアの良い客になることによって、ロシアがイランに防空システムを売るのを邪魔したいのではないか、という。
 ※正しい「外貨」の使い方でしょう。日本の外務省ではこうはいきません。

 次。タイム誌の2009-10-24「Germany's New Government to U.S.: Take Away Your Nukes!」という Peter Gumbel 氏の記事。
 ドイツの新内閣は古い原発を廃炉にしないだろう。
 その一方で、新外相は米国の核兵器撤去を求めるだろう。
 ドイツ国内にはまだ20個の核弾頭が貯蔵されているようなのだ。
 新経済相は、1990の暗殺未遂事件いらい車椅子の男だ。

 ※地球温暖化対策の決め手は原発の増設しかないことに、欧米有権者は合意しつつある。腐れサヨクは環境ロビイングで一儲けしようとしたのだが、あにはからんや、それが大原発ブームに結びつこうとは……。日本の現状はここでも周回遅れです。

 余談。
 『サウンド・オブ・ミュージック』のDVDを見て、こういう凝りに凝った映画は若い時にいくら観たって何も把握しちゃいねえもんなんだなぁってことが厭というほどよく分かった。「わたしは今やガウライターなんだ」「バロネス、あなたはマキャベリですな」――こんな台詞も、日本語吹き替えで生かせっこない。おっそろしく集中力のある(つまり伏線を見逃さない)、かつまた教養の深い米国東部インテリに訴えかけようという脚本だ。

 さらにアッと驚いたのは、さいごの音楽祭で二等賞をとった合唱団の成人男子の格好です。戦中の「国民服」は、これのマルパクだったんかよ……と合点が行く。清沢洌ほか複数の戦中日記が、〈なぜ当局は国民服にいちいちゲートル着装をやかましく言うのか〉と不思議がっている。不思議は何もなかったのだ。日本のゲートルはドイツの銃後民間人のソックス/スパッツの代用だったのだ。統制派官僚どもは、そこまでもドイツ人のケツを舐めたかったのだ。1966年まで生き残っていた戦中派のオッサンたちは、きっと映画館でその事を悟っただろう。そして、そんな発見をいちいち若い者に語り聞かせるほどには、若い者がヒマじゃなかっただろう。

 細かいところには凝る一方で、大きな疑問はスルーさせるのがミュージカルの力技だ。ザルツブルグから徒歩で山越えをして、一晩でスイスにまで辿り着けるわけがない。(ついでに言うと、『大脱走』の収容所は何処にあるつもりなんだろうか。ある者はスイスへ、ある者はスペインへ行ける場所とは……?)

 さらに余談。ブロードウェイ版の『アニー』には「N.Y.C.」という耳に残る名曲が入っている。これが映画版ではカットされて、代わりに「レッツゴートゥザムーヴィーズ」が新たに作曲された。あるいはチャールズ・ストラウスは、「N.Y.C.」が、リチャード・ロジャースの「エーデルワイス」に似ていることを、ずっと気にしてたんじゃないか?

アブドラに訊け!

 Jyoti Thottam 氏の記事「China Vs. India: Will Rivalry Lead to War?」。
 印支は3500kmの国境を共有する。経済力はシナが2倍以上ある。
 1962の中印国境紛争でシナが圧勝したのは、国境のヒマラヤ山脈まで通ずる良好な道路と橋が、シナ側には整備されていたからだ。〔インド側にはそのインフラが無かった。〕
 他方、62年間、印パ間の係争地であり続けているカシミールのパキスタン実効支配地区には、シナが $2 billion を援助して「Kohala」発電所を造っている。インドは抗議中である、と。

 また、インドの水力発電所の技師は言う。ヒマラヤのインド側斜面にあるダムをシナ軍が爆破したら、どうなるか、と。

 これを読んで兵頭おもえらく。もしこの発電所が「原発」だったらどうなっているだろうか? エンジンの壊れかかっているジャギュア×300機しかないインド軍にそれが可能ならばの仮定だが、もしそこを爆撃しようとした場合、世界はどう反応するだろうか?
 それがカシミールではなく、「竹島」だったらどうだろうか?
 韓国が竹島に原子力研究施設を建築したら、空自はそれを破壊できるだろうか? ちなみに航空法では原子力施設の上空は飛行禁止である。
 さらに韓国がその竹島原子力研究施設の地下で核実験を準備しはじめたなら、日本政府には何ができるだろうか?
 政治家をこころざしている若い読者は、ひとつ脳内シミュレーションをプレイしてみて欲しい。この仮想が現実のものとなる確率は低くはない。

 右寄り新聞の『ワシントンタイムズ』は、普天間問題をめぐる日本側の意向をかなり同情的に報じてきている。
 2009-10-24にAP記者の Malcolm Foster氏は、その記事「Japan yields to pressure on U.S. airfield」の中で、キャンプシュワブ案とは別に、「 Kadena Air Base」もまた、「 another possibility」だとしている。つまり嘉手納への統合もアリだと報じている。

 日本政府はこう言うべきなのだ。〈外国軍の基地のためにカネを払うのは属国と被占領国だけである。日本は米国の属国ではない。また被占領国でもない。よって「思い遣り予算」はただちに廃止する〉。
 これで海兵隊が沖縄にとどまっても何の得することもなくなるから、彼らは勝手に出て行くだろう。彼らはアジアの安全のためなどではなく、ただそこに巨大なカネづるが存在するゆえに、沖縄に基地を残したいだけだからだ。

 バカ右翼がよく言うように、海兵隊が台湾を守るためにシナ軍と戦うような事態は金輪際無いので、バカ右翼は安んじて良い。

 ところで肉屋が細かな解体に使う小型のブッチャーナイフは、たしか「両刃」ではなかっただろうか? しかもかなりの高級鋼を使っていたはずだ。あれがOKで、安い鉄をグラインダーで研ぎ出したような二枚貝捌き用の道具が禁止だとすれば、その理由は何だろうか?

その英語番組、誰がつくるんだよ?

 NHKがAsiaSatから自前の英語TV番組をアジアと豪州向けに衛星放送し、しかもその視聴料はロハであるという、2009-10-23の記事「NHK chooses AsiaSat to enhance distribution in Asia Pacific」。

 捏造&国家反逆の多重犯が、日本人視聴者のチェックの働き難いところで、また一体何をたくらもうとしているのか。

 日本語版『朝鮮日報』の2009-10-23記事「沖縄の米軍基地移転問題、深まる日米対立」によると、「ゲーツ国防長官は訪日期間中、自衛隊による栄誉礼も拒否した」。
 NHKはこれを報じたかな?

  ASIAN DEFENCE の記事「Taiwan to consider proposal to mothball Mirage fighters」によると、台湾空軍の戦闘機パイロットは、月に最低15時間の訓練飛行を義務付けられているという。

 てことはですよ、月に7時間しか飛んでいないシナ空軍って、何? F-15で相手をするのすら勿体無いってことなんですよ。

 あと、2009-10-22の記事「Russia, China draft Kalashnikov copyright deal」という記事。
 ミハイル・カラシニコフは89歳で Izhevsk に存命であるという。
 パテント料が入らなくて、残念みたいですね。でもAK-47のおかげで宿敵の米国は相対的に弱くなった。技師冥利に尽きるでしょう。キュリー夫妻は、科学者は人類に奉仕するのだと言って、放射能の特許を取りませんでした。

週末は書店へ! 24日『近代未満の軍人たち』『有坂銃』発売。

 東京都内の一部のマニアックな書店が早いと思いますが、公式店頭発売日は10月24日(土曜日)となっております。地方の書店に出回るのはそれから数日遅れになりますので、どうぞお気をつけ下さい。

 光人社『近代未満の軍人たち』は並装丁で戦記コーナーにあるでしょう。

 光人社NF文庫『有坂銃』は、文庫のコーナーで見付かると思います。背表紙の「ひ」で探していただくと、『たんたんたたた――機関銃と近代日本』も併せて手に取って御覧になれますでしょう。

 しかし『近代未満の軍人たち』の表紙カバーのデザインは困ったもんです。これでは、たった12人の軍人しかコンテンツには無いかのように見えてしまいます。裏表紙カバーに、残りの11人(梅津、南雲、高木、小磯、米内、樋口、阿南、森、岩畔、兒玉、畑)の写真と姓名が配置されているのですけれども、インターネット通販の画像では、裏表紙カバーなんて誰も見えやしないんですからね。せめて帯で「23人の」と明記しておいてくれたら分かりやすいのに、そのフォローもしてくれてないのか……。老舗であるために取次店との関係で、掛け率や発売日などの有利な既得権をいろいろ持っていらっしゃっる出版社さんは、書籍をインターネット経由で売る意欲はイマイチ稀薄なのかも知れません。

 さて、『有坂銃』がNF文庫化された今、戦前造兵三部作の第3弾である『イッテイ――13年式村田歩兵銃の創製』は、続いて文庫化されるのかどうか、が、気になるところです。これは、ひとえに『たんたんたたた』と『有坂銃』の売り上げ次第なのであります。皆さん、お近くの図書館で積極的に購入リクエストカードを書きましょう。

無人機なしでアフガンへ? 鳩山政権のおわりのはじまり。

 星条旗新聞2009-10-21のKevin Baron氏の記事「Japan mulls defense forces' role in Afghanistan」。2001年から日本がアフガンのために支払った金額が列挙してある。すごい額だ。これはもう外務省の腐れ利権になってるでしょうね。

 今年日本はアフガンの全警官8万人の半年分の給与を負担した。
 しかし米国の支出はもっとすごい。2010予算要求で、アフガンのために $68 billion 出してくれと議会に頼んでいる。桁ひとつ違います。

 『朝鮮日報』日本語版の 辛貞録氏による2009-10-21記事:「対等な対米関係、米国防長官の訪日で変化」。
 ゲイツ氏と会談後の北沢防衛相の記者会見と、福山哲郎外務副大臣の発言を総合すると、鳩山政権は、「インド洋で海上自衛隊が行ってきた給油支援活動を、陸上での航空自衛隊による輸送支援に切り替えることを意味する」と推定しています。

 さて、それだけで済むでしょうかね?

 ところで『タイム』誌の、麻薬犯罪都市リオデジャネイロといった記事で、毎年6千人が銃撃戦などで殺されていて、うち1000人以上が警官だというのもとてつもないが、2009-10-17に麻薬ギャングが警察のヘリコプターを撃墜して3人死亡というのも恐れ入る話じゃないか。平時からパラレルで戦争状態かよ!
 しかし、アフガンはこんなもんじゃありますまい。

 AFPのTALEK HARRIS氏は2009-10-21の「Australia Seeks Quick Withdrawal from Afghanistan」の中で、アフガン勤務の不人気さを伝えています。
 南部のアフガンに約1550人と、連合軍のなかで9番目に多数の兵隊を出しているオーストラリア軍。すでに11人が戦死した。
 派遣の途中の訓練で死んだ兵隊もいるし、先週は豪軍がアフガンの制服警官を射殺するという事件が起きている。
 いま、米軍と同盟軍あわせて10万の外国軍がアフガンにいる。最多の米軍は6万8000人。これに4万人を追加するかどうかが今議論になっている。それに次ぐ兵力は英軍の9500だ。
 派兵を決定したのは前のハワード政権だが、今の豪政権もアメリカの機嫌を損ねてまで撤退するのは難しい。あと3~4年で、現地軍にすべてを任せてもいいはずなのだが……。困った、困った、という記事です。

 ゲイツ氏は韓国に行って何を話したのだろうか。在韓米軍をぜんぶアフガニスタンに転進させると言っただろうか?
 Bradley Perrett氏の2009-10-21記事「Lockheed Dangles F-35 Work For S. Korea」を深読みすると、どうも韓国は戦闘機の国産計画をすっかりあきらめさせられて、F-35の出資者に加わるのではないだろうか。
 まちがいなくゲイツ氏の指導方針は、「日韓支」の間に「最低レベル均衡」を実現することにあるでしょう。そして海兵隊員を、グァムなどで遊ばせておくつもりはないでしょう。

 アジアンディフェンスの記事:「South Korea to purchase four spy satellites by 2020」。
 韓国がドイツから純軍用の偵察衛星複数を2012~2020に買う可能性が出てきた。
 あと、5基の偵察衛星をドイツと共同開発して学び、そののち2基を国産するとかも言っているが、相変わらず他人の褌で相撲を取れば良いと考えているのだなぁ。しかし米軍が情報をくれないので、米軍撤収後を考えて必死なのだとも思えます。意地でも米国メーカーとは組まないところが面白い。

 2006に打ち上げた Arirang-2 は軍事偵察衛星としてはあまり役に立っていないという。というのは民間との共同運営なので、軌道や周波数の情報が漏洩するに決まっているからだ。この事情は、2010うちあげの Arirang-5 や 2012予定の Arirang-3A によっても変えられそうにない。

 周回衛星は、朝鮮半島上空に、1基が毎日5分間しか存在できない。これではロクな軍事情報は集められない――と書いてあるのだが、仮りに10基に増やしたって50分にしかならないわけでしょう。

 次。『表現者』の最新号中の一つの座談会に古田博司氏が出ておられ、この情報の濃密さがすばらしい。どの雑誌とは言わぬが、往々にして、出席者のうちたった一人の発言だけが光っており、それだけカネを払ってでも読む価値があり、他の出席者の発言は全部スルーしても惜しくないという座談会を見るが、それはそれで意義がある出版事業だろう。
 で、古田氏は『表現者』でこんな話をなすっている。――北鮮からの脱出者は2009年前半時点で16000人。満州や東南アジアに出たのを含めると数十万。しかし、韓国からの脱出者はすでに300万を越えているのだ。大半がアメリカに行って帰らない。これは「脱南者」なんである。
 またいわく。内藤湖南が発掘した『満文老档』という満州語のヌルハチ年代記の内容。サルフ戦以降、ヌルハチが遼東半島を攻め進んだら、退却するシナ軍が井戸に毒を入れた。また住民が豚肉に毒を仕込む。そこでヌルハチは、シナ人から生肉を買うな、と触れを出した。云々。
 またいわく。北鮮が1982にソ連につくってもらった北倉火力発電所。これは寧辺の対岸にあり、150万キロワット。その電力をウラン濃縮に使っているらしい。老朽化して、ながらく煙が出ていなかった。が、2009のグーグルアースで煙が出ていることが分かった。つまりシナが燃料を供給しはじめたのだ。東平壌火力発電所からも順川火力発電所からも煙が出ている。すべてシナの燃料援助によるものだ。
 シナは寧遠のダム水力発電開発も援助している。
 北鮮は寧辺[ヨンビョン]ではプルトニウム加工をしているが、そのための電力は、1980年代にできた泰川の2つの貯水池の水力発電35万キロワット。その施設はシナとの共有であり、シナの援助を受けて運営している――と。

 いったい日本はどうすれば良いのかと悩んだ貴男、PHPの『「自衛隊」無人化計画』を買って読みましょう!


▼2009-11-23にJSEEOの大阪講演会があるよ。
場所は、大阪市中央区北浜東の「エル・おおさか 大会議室(6F)」で、時刻は午後の2時半からだ。
参加費は¥2,000円。
詳細は ↓ JSEEOのHPを御覧下さい。
http://www.jseeo.com

米国内の議論が『「自衛隊」無人化計画』に追いついてきたようです。

 『ナショナル・ディフェンス』2009-11月号にStew Magnuson 氏が寄稿している「Debate Over Legality of Robots on the Battlefield 」という記事。

 ロボット兵器の意思決定ループの中に人間を介在させないことになるとどうなるか? ――を考えて本にした人がいるらしい。それは Peter W. Singer氏で、『Wired for War: The Robotics Revolution and Conflict in the 21st Century』というらしい。
 ※この本を買って読んだよ、という御奇特な方、いらっしゃいましたら、どうか兵頭にその読み古し本をめぐんでやってください。送り先はJSEEO事務局でお願いします(キリッ!)。

 国防長官の官房が、無人兵器ロードマップとかいう文書をつくったそうだ。「Fiscal Year 2009-2034 Unmanned Systems Integrated Roadmap」というそうだ。
 そしてこの文書の中では、無人機が勝手に攻撃判断をしてミサイルを発射するようなことはさせない、としてあるという。
 また、DODのロボット化努力は次の四分野だという。
一、 偵察・観測
二、 目標識別と標定
三、 対地雷およびIEDの処分
四、 化学兵器、生物兵器、放射能兵器、核兵器の探知。
 注目すべきは、「武装ロボット」をリストに入れていないこと。いちおう、次の三つの武装無人機計画には言及されているんだけどね。すなわち、「 Predator」「 Reaper」「 Extended Range/Multi-purpose unmanned aerial system」。

 3年前、米陸軍は、武装陸上ロボット×3台をイラクに投入せんとしたことがあったんじゃ。「special weapons observation remote reconnaissance direct action systems」(SWORDS)という名でな。※先にアブリビエーション考えてからテキトーにコジつけたのがコテコテすぎるネーミングやね。

 しかし陸軍の上層はこんなロボットを信任しなかった。土嚢 sandbags の後ろにずっと置いたまま。それが一回でも発砲したことがあったかどうか、不明である。※写真が分からないが、たぶん『エイリアン2』に出てきたセントリーみたいなもん?

 1949のジュネーヴ協約が、ロボット兵器を使う者にも適用されるだろう。
 戦闘ロボットを配備することに、人間の司令官は、責任を取らねばならない。たとえば民間人や味方を誤射したとき。

 軍人ではない、民間の契約者にUAVの空襲など操作させてはならぬはずだ。彼らは国際公法で保護されないだろう。UAVの運用には明白な chain of command が確立されていなければならない。
 たとえばいま、パキスタン領に対する越境無人機空爆は、CIAによって遂行されている。タリバンとアルカイダのリーダーを抹殺するために。
 つまりプレデターとリーパーのパキ内での殺害は、ほとんどのケースで、非軍人が行なっているのだ。これって、許されるのか? 米議会は一度も論じていないが……。
 ※数日前のどこかの記事で、アフガンの米陸軍では一等兵とメーカーの社員がサイドバイサイドに座ってUAVを操作しているとかいう報道があったっけな。あれもかなりヤバいでしょ。

 Ron Arkinは『Governing Lethal Behavior in Autonomous Robots』という本を書いた。
 「道徳リミッター」(ethical governor)を軍用ロボットには装置すべきだ、とロン・アーキンは主張する。
 ※その「解除ボタン」を押すと、違反やり放題になったりしてね。あるいは、「神戦士」>「聖人戦士」>「順良戦士」>「忠勇戦士」>「卑劣戦士」>「ケダモノ」>「外道」>「腐れド外道」とか、数段階に設定できるとか。まあ、「腐れド外道」モードだと、味方も危なくなるだろうけどね。

 シンガーは言う。人間の指揮官から射てと命じられても、ROEに反するときはロボットは交戦を拒否する、そんな回路を組みこむべきだと。
 これへの予測される反論。敵ゲリラは、米兵が撃つことを禁じられているROEをみきわめて、そのROEに乗じようとする。ロボットに変な倫理ガヴァナー回路を組み込めば、同じ弱点が生じ、つけこまれることになる、と。

 ダンラップの皮肉。もしすべての戦時国際法を軍用ロボットのコンピュータに入力したら、アルゴリズムはフリーズに陥るしかないだろう、と。なぜなら、戦時国際法には、あいまい部分がたくさん残されているからだ。つまり戦争は永遠にArtの段階にとどまるしかない、ということなんだ。

 兵頭いわく。ありがとうマグヌソン記者! この記事のおかげで、オレが今書いている本は、米軍事界の最先端の話題のさらに一歩先に達しているということに確信が持てたよ!

 オマケとして、今日の脱力ニュース。
 APの David Dishneau記者による「Marine to plead guilty in fake heroism case」という記事。

 ルイジアナ出身の34歳の海兵隊軍曹が軍法会議にかけられ、悪くすれば31年間のムショ暮らしが待っているという。

 米国には美しい慣行がある。複数の市民団体が、国家のために負傷した傷病兵を、コンサートや劇などに無料で招待してやるのだ。軍曹は、その特権を欲した。
 2008年中、軍曹は、33のイベントを無料で楽しんだ。その中には、6回のロックコンサート、2回のナ・リーグ野球試合、ワシントンレッドスキンズのアメフト試合、WWEのプロレス、「Monday Night Raw」ショーも含まれていた。

 また、ある純真な少年たちの集りの場では、「アフガンさ。手製の爆弾が転がってきたんだ。オレは分隊の仲間たちを庇わなくちゃと思った。気づいたら、身を挺して楯となっていたよ。その爆発で負傷したのさ」などともフカしまくっていた。その他、営外において創作した作り話、手柄話は数知れず。
 それが、ついに部隊にバレちまった。
 この軍曹は2000~2006までは沖縄で通信兵だったし、それ以後はクァンティコに居ただけであった。

 いいキャラしてますわ。絶対にそうは見えない顔つきだったら、笑えるんですけどね。


▼「兵頭二十八 大阪講演会」 ※こんどは地球温暖化と国防の関係を話すよ。面白いので全員集合!

■日 時:平成21年11月23日(月・祝)

午後2時半 開会(午後2時 受付開始)

■場 所:エル・おおさか 大会議室(6F)

大阪市中央区北浜東3-14 TEL06-6942-0001


■参加費:2,000円

■申込み:先着200名で、事前お申し込みとなります。

 JSEEOの「ホームページ」より、直接お申し込みください。
 また、住所、氏名、TEL、FAX、参加人数と「11/23講演会参加」をご明記の上、FAX、Eメールまたはハガキでもお申し込みいただけます。

■申込先:日本安全保障倫理啓発機構(JSEEO) 設立準備室
     〒176-0006 東京都練馬区栄町36-10-202
     FAX03-3557-1651
     Eメール inquiry@jseeo.com
     URL  http://www.jseeo.com

UXO問題は、火薬と水と微生物で解決するしかなかろ。

 David Hambling氏の2009-10-19記事「Treaties Prompt Redesign Of Cluster Bombs」。
 クラスター爆弾の問題は、unexploded ordnance (UXO) を戦場に残し、民間人を殺傷することである。
 そこでオスロ条約が、子弾の1発が20kg未満の集束爆弾を禁じた。
 2008に107カ国が賛成。この条約は主要30カ国の批准で成立するが、まだ17カ国しか批准していない。米国とシナとロシアは調印すらしていない。

 2008-6にロバート・ゲイツいわく。クラスターは役に立つ。しかし不発率を1%未満にしろ、と。
 米軍は、それを2018までに達成したい。
 Textron社は、新製品の Sensor-Fuzed Weapon (SFW) でそれが実現できまっせ、と売り込み中。
 子弾に、レーザーと赤外線のpattern-matching sensorを組み込む。車両目標が映れば、 an explosively formed penetrator (EFP)を飛ばす。ふさわしい目標がないときは、二重の電子回路によって自爆させてしまう。
 テストでは0.4%の不発があったが、それも安全だ。ただ拾ってトラックに放り込めばよい。不意に爆発することは決してないのだ。

  もうひとつのTextron 製の  Clean Lightweight Area Weapon (CLAW) は、重さが 100ポンドの爆弾である。単弾頭。これは数千の、三角形やひし形の破片を発生し、それは140ヤードの毀害域を構成。車両に有効。冗長な信管がついていて、不発になっても、衝撃や火炎では爆発しない。

 かたやスペインのInstalaza 社は、着発信管を安全にする工夫をした。
  sD2 つまり self-destruct and self-deactivation だ。たとえば120ミリ迫撃砲弾にとりつけて発射し、着弾して起爆しなかったとする。20秒以内に無害化する機能が作動する。その作動もまた失敗した場合、最終的に10分以内に電源電池の放電によって、無害化されてしまう。

 尤も、ペンタゴンは、こうした信管ではオスロ条約を満足させないとみなしている。

 米軍の手持ちの弾薬のうちでヤバいといわれているのが、600個の子弾をバラ撒くMLRS用。
 そこで米陸軍は代案をいちおう考えた。単弾頭にして、フレシェットや金属ロッドを撒いたらどうかと。
 もうひとつのオプション。単弾頭にして、その弾頭が、多数の EFPs【爆発成形徹甲弾】を四周に飛ばすようにする。これは海軍の弾薬としてもう使われている。〔知らなかったぜ……。〕これが広域の装甲車を破壊する力はフレシェット以上だ。

 以下、兵頭いわく。
 信管をどう工夫したって、ダメだね。炸薬や伝爆薬じたいを工夫するのが正答だと思うよ。
 一定の範囲の含水率でなければ、決して炸裂しない炸薬や伝爆薬を考案するべきだ。
 発射され着弾して不発に終わると、弾殻の一部が風化して、小孔が通じ、外気と炸薬が接触するようにしておく。そこが砂漠なら、次第に炸薬内の水分が抜けて、爆発しなくなる。そこが砂漠でないなら、逆に炸薬内の火薬の湿りが増して、やはり、爆発しなくなる。
 これなら世界のどの地域でも使えるだろう。

 次の記事。
 2009-10-19、HONOLULU ADVERTISER の「Pacific Command Remains a Force: Keating」。
  パールハーバーに司令部がある、アジア太平洋軍の司令官、Timothy Keating 提督がついに退役する。その直前のインタビューでいわく。

 太平洋軍は海軍と海兵隊とあわせて30万人だが、そのうち3万がイラク&アフガン&インド洋へ出ている。
 太平洋軍の幕僚たちは、仕事の3割はシナ関係だ。太平洋には米国とシナ以外にも36カ国が関与しているのだが。
 あるときシナ提督が、米支で太平洋を二分しようと持ちかけ、キーティングはキッパリとはねつけた話は有名だ。
 しかし、訓練ぶりを見れば、シナなど脅威ではないことが知れる。
 シナ軍の戦闘機パイロットは1か月にタッタの7~8時間しか飛んでいない。米軍戦闘機パイロットは20~22時間だ。
 ソウルの南の米軍は、遠征軍に再編成され、いつでもアジアのどこかへ転用できる。韓国は北鮮に対して単独で防衛できる。だから、過去には在韓米軍の転用はできなかったが、これからは、もう、できるのだ。

 兵頭いわく。もうじきゲイツ氏が日本と韓国を歴訪しますが、在韓米軍は完全撤収の流れですかな。この調子だと。

 次。 オレが雑誌の『正論』で、シナの10-1パレードに出てくる「最新兵器」なんてどうせロシアのパチもんだろ、と予想でクサしたのに、かれらとしては反論をしておく必要を認めたのか、こんな雑誌記事がシナ本土で出たらしい。
 Johnathan Weng氏がそれを英語に抄訳してくれている。ASIAN DEFENCE の「 Development of Chinese KJ-2000 AWACS」という紹介記事を見よ。

 引っ張りだされた技師は 1938生まれのロートルながら、かつて初めて三次元レーダーをシナ軍のために設計し、JY-8 と JY-9 の搭載レーダーの開発も仕切ったシナ電子兵器界のボス。

  KJ-1 (Air Warning-1)開発計画 は 1960s末に始まったが、グラウンドクラッターを解決できず、コンピュータも弱く、サイドロブもでかすぎたのでいったんキャンセルされた。
 しかし、ソ連が崩壊した1990's初めには、やっぱりつくらねばということになった。
 しかし当時、イスラエルはフェイズドアレイの技術をもっていなかった。それで英国から「ニムロッド」を買おうとしたが、この話は、まとまらなかった。
 そこで、要素技術をイスラエルから輸入して国産しようということになった。
 1992にイスラエルと基本合意し、イリューシン76をベースにこしらえることに決めて契約したのがその4年後。
 だがイスラエルの「ファルコン」の方式だと、胴体と機首にレーダーを分載するため、360度警戒ができない。そこで、複合素材を一体成形した世界最大のレーダードームを胴の上に離してのっけることにした。

 ロシア製のイリューシン76はまずイスラエルに運ばれ、そこで器材が取り付けられた。これが1999のこと。そこに米国が圧力をかけ、契約解除に。イスラエルは違約金を支払った。
 かくしてシナはいよいよ国内開発するしかなくなった。
 しかし要素技術はイスラエルから学べた。データバスネットワークの設計をイスラエルは助けてくれた。
 ロシアは、最新型のA-50の開発に乗らないか、4機リースしてやろう、などと言ってきたが無視した。

 米海軍の EP-3E とシナ海軍の J-8II 迎撃機が空中衝突した「4-1」事件のおかげで、政府が本腰を入れてくれたので、ふつうなら10年かかる開発が、短縮できた。
 2002に地上テスト用の機体ができた。
 2003に試験飛行成功。
 2007-12に KJ-2000 はシナ空軍に実戦配備。
 つまり5年で国産したわけだ。

 こいつが完成すると、ロシアは IL-76 を売りたがらなくなった。
 しかしシナは Y-8 に載せる型も開発している。
 安いのでどんどん造るよ。
 次の課題は、コンフォーマルなフェイズドアレイだね。

 ハイハイ。シナえらい。

綿谷正[わたやただし]氏へのインタビューなど

 ラジオの実験をいろいろ考えているうちに、札幌市内には微小出力FM局が昔から複数あることを思い出した。
 わたしは2007年3月10日に札幌に出かけ、新風の千代信人さんご夫妻と魚谷さんにご挨拶したことがある。このとき貰った奥さんの名刺によれば、札幌市内白石区にあるコミュニティFM局の「FMしろいし WITH-S」(北海道綜合放送株式会社)は、奥さんが取締役総務部部長をしているところである。
 それでインターネットで千代信人さんを久々に検索してみたら、千代さんの新風のブログがいつのまにか終わっているじゃないですか。

 すぐにわたしは、新風の中のインターネット本部長とでも言うべき福岡の本山貴晴さんに「ひょっとして千代さんは新風北海道ブロックの部長は退任されたのでしょうか?」と間抜けなメールの問い合わせをしたのだった。
 すると、〈新風北海道は壊滅した〉という意外な答え。しかも、どうもそれ以上の詳しい話を、してくれそうにない。

 新風北海道本部の次期代表(ということはすなわち来年の参院選の北海道比例区から立つことになる人)は、綿谷正さんというかなり高齢の方に決まったということだけは承知した。
 そこで「綿谷正」とグーグル検索してみたところ、9月25日時点で、ヒット・ゼロ。いまどき、珍しい現象じゃないか。

 想像してみてくれ。来年の夏に参院選の告示がある。そこで、新風の北海道比例代表候補は綿谷正という新人だと世間は知らされる。北海道の若い人がその名前をPCで検索する。ヒットはゼロ……。
 「いったい、どういう社会人だよ?」との疑問を、ふつうに抱かれてしまうことであろう。いまさら文句を言うが、千代さんのときもそうであった。インターネット空間で、プロフィールを把握することがほとんどできないのだ。こんなことを繰り返すようだと、「胡散臭い」というイメージをもたれてしまうに違いないぞ。

 そこでわたしは、札幌医大の高田純先生に別件のヤボ用で会いに出るのを機に、綿谷正さんへのインタビューを試み、その結果知り得た綿谷さんのプロフィールを「放送形式」に公開しておこうと思い立ったのだ。
 その日取りが2009年10月17日と設定された。場所はJR札幌駅地下街の某喫茶店だ。

 以下、テープとメモを元に再編集して提示します。無論、文責は全く兵頭一人にあり。

綿谷:わたしは札幌のすぐ隣の江別で昭和4年に生まれまして、戦後はずっと江別市の住民です。戦前の江別には、王子製紙と火力発電所くらいしか工場はありませんでした。わたしは尋常高等小学校高等科を卒業した後、予科練に入りました。それが昭和19年です。

兵頭:霞ヶ浦ですか?

綿谷:いえ、乙種ですから三重県の海軍航空隊です。

兵頭:昭和19年にはたしか、中京大地震がありましたよね?

綿谷:12月7日でしたね。それは航空隊で体験しました。翌年3月7日に汽車で愛知県に移動しました。防空壕掘りの作業にかり出されたのです。途中の名古屋は、空襲でもう何も無かったですね。

兵頭:飛行機用の掩体を掘る作業でしたでしょうか。

綿谷:通信施設用の地下壕でした。深さ4m、幅4m。それを、つるはし、スコップ、もっこだけで作るのです。廠舎が飛行機格納庫の隣でしてね。夜10時過ぎに就寝するんですが、朝の3時半にはもう隣でエンジンの暖機運転が始まりますので、とても寝られませんでしたよ。そして、朝メシの後は、どんな天候でも駆け足で現場へ向かうのです。それでその駆け足のさいちゅう、20人以上も、いっぺんに倒れてしまいました。わたしはその中でも重症でしたので「病室」からさらに「海軍病院」へと送られたのです。そこでも空襲に遭いましたけれども、とうとう終戦をその海軍病院で迎えることとなってしまいました。

兵頭:ただちに復員ですか?

綿谷:入院患者はそうは行かないのです。昭和20年11月15日に「解員」になりました。けれども軍隊の病院らしく、米俵を背負わされて駆け足をさせられました。そこでわたしはまた倒れてしまい、もうダメかもしれないという重症に陥りました。患者長は叱られてましたね。わたしは、「どうせ死ぬなら北海道で死にたい」と申し出まして、昭和21年3月に、札幌の簾舞[みすまい]にある白川病院という軍の療養所に転院することができたのです。そこは海軍も陸軍も一緒の施設でした。

兵頭:汽車には窓ガラスはありましたか?

綿谷:ありました。白川病院では、「お前は若いからすぐに治る」と元気付けられました。本当にそのとおりになりました。昭和22年6月に、江別に帰省しました。その折の6月14日から16日までの「札幌祭り」は、忘れもしません。わたしは、そこで傷痍軍人のための募金をしたのです。当時、傷痍軍人たちは、めいめいでみすぼらしい姿で募金をしていましたが、あれではいけないとわたしは思った。彼らに代わって大金を集めてやって、それで最後にしてやりたいものだと考えたのです。人々の反応は、それはすごかったですよ。「ありがとうございます」とわたしが頭を下げている間に、皆さんが、10銭札、50銭札を、次々と投入されるのです。もう、ひっきりなしですよ。

兵頭:コイン用の金属がないために、当時そういう小額の紙幣があったのですね。

綿谷:驚くなかれ、そうやって22万円も集ったのです。日本人の皆が、傷痍軍人に感謝こそすれ、あの戦争が悪かったなんて言うものは、誰もいやしやしませんでしたよ。
 この療養所時代に、わたしは「生長の家」を知ることになりました。患者仲間が死にそうになったとき、まだ生きているその人のために「お経をあげよう」という兵隊がいましてね。「縁起でもない」と思いましたが、それが「甘露の法雨」という、生長の家のテキストだったわけです。わたしも読んでみました。人間は死んでも死なないのだ、と書いてある。
 その患者は、死にましたが、喜んで亡くなりました。「俺は死んでも死なないんだ」ってね。善人ではありませんでしたが、往生は立派でした。じつはその前に、一人の陸軍軍曹の患者仲間の臨終も看取りました。彼は「俺は死にたくない。死なないぞ」と叫びながら、くやしそうに死んだんです。この二人の末期のコントラストが印象的でした。22年のうちに病気が全快して帰宅したわたしは、昭和23年1月に、生長の家の青年会に、誘われるままに入りました。

兵頭:戦時中の生長の家は、大東亜戦争全面翼賛の愛国主義スタンスだったので、兵隊の間では素朴に好感されたようですね。それで入信されたんですか?

綿谷:はい。病気なんてない。肉体なんてない。そういう教えです。良いところだけ聴いて、悪いところは聴かなければいいと考えて、入りました。昭和29年には、江別に「綿谷建具製作所」を開業して独立いたしました。この経営を平成19年の廃業まで続けました。

兵頭:生長の家は、戦後、はやばやと、保守主義の政治的運動も展開するようになったみたいですね。

綿谷:創始者の谷口雅春さんは、今の憲法はダメだから元の憲法にしろ、正しい明治憲法に復せと、いつも叫んでいました。多くの人が共鳴していましたよ。
 わたしも、社会党や共産党の主張することには、常から怒っていました。江別に社会党の浅沼稲次郎が来たことがあるんです。浅沼さんは演説で、教育勅語がダメだと言った。「君に忠に、親に孝に……」なんてダメだってね。それでわたしは、彼の宿の2階の部屋まで押し掛けて、「なんで教育勅語が悪いんだ」と問い詰めようとした。一言、二言の言い合いになったところで、宿屋の主人にひきずりおろされましたけどね(笑)。
 自宅の高いところには「正しい憲法にしよう」とか「君が代を歌おう」とか、いろいろな看板を掲げていました。
 地元の江別小学校には、子供が入学する前から、「日の丸を揚げてください」「君が代を歌ってください」と要求を重ねました。すると、彼らは「学校に子供が入ってから言え」という対応ですよ。
 それで、子供が入学しましたので、また要求をしますと、「何言ってんだよ、役もやらないで」という返事です。
 じゃあというので全校委員会の委員になりました。そして6年間、委員会で、国旗と国歌の要求をし続けた。「うるせえなぁあいつ、また始まった」と聞こえよがしの声がする、そんな委員会でしたよ。
 でも、運動会のときに、ある先生が告白してくれた。『じつは綿谷さんに賛成なんだ。おれは国体の選手だった。日の丸の大きな旗を6人で持ってトラックを一周して掲揚した、あのときの気持ちはなんともいえないもんだった。でも、ここではみんな国旗に反対だから、おれは何も言えなくて……。綿谷さん、がんばってくれ』ってね。
 もちろんPTA総会にも毎年、出ましたよ。この校長が、国旗や国歌はまだ法律で制定されていない、などと言うものですから、「国際慣習法の常識として日の丸は事実上の国旗であり君が代は事実上の国歌だ」とわたしは反駁してやりこめました。
 ある年、PTA会長に、校長の大嫌いな人物が就きそうになりましてね。よほど嫌いらしくて、校長がわたしに「綿谷さんがPTA会長をひきうけてくれませんか」と頼むじゃありませんか。そこで私は交換条件を持ち出した。もちろん、国旗と国歌の件です。それを呑むなら就任しましょう、と。
 すると、校長の顔から急に汗が噴き出してきましたよ。人間、強度のジレンマに直面すれば、あんなに汗が出るものか……。
 ともかく、息子が6年のときに、校長はとつぜん方針を変えたんです。国旗は掲揚され、国歌は斉唱されるようになったのです。息子が江別小学校を卒業してもなお1年間は、約束が守られたと聞いております。

兵頭:綿谷さんは、北方領土問題に関しては、全千島だけでなく、樺太の南半分も取り戻そう、とのご主張ですか?

綿谷:そうです。そういう主張の横断幕をじぶんのビルの3階に張り出していたこともあります。
 昔は、共産党の演説を聞きに行っては、会場でさかんにヤジを飛ばしていたものですよ。共産党は、「全千島を返せ」という立場ですが、あるときわたしは、ある共産党の市議候補に、「樺太も頼む」と、演説会場で立ってお願いを申し上げた。するとその候補は怒鳴り返したものだ。「いいか貴様、南樺太はな、あれは日本がロシアから盗み取ったものだ!」と。そう言われちゃ、わたしも黙っていない。「売国奴!」ときめつけた。血の雨5分前という空気になったところで「オーイ綿谷さん」と呼ぶ声がする。その人はわたしの借金の保証人さんだったですよ。その方の息子が共産党員だったんですな。もちろんわたしは引っ込みました(笑)。
 警察官の皆さんからは、「綿谷さん、すこしおとなしくしてくれ」とたびたび言われたものですよ。「あんたを守るために、ずいぶん気ィ遣ってんだよ」ってね。でも、やめられないじゃないですか。
 別な共産党の集会で、痛烈なヤジを飛ばしたときには、屈強の会場ガード数名からぐるりと囲まれたこともあります。あわや、袋叩きにされんとするところ、共産党の市会議員が慌てて止めに入った。というのは、そういう会場には必ず私服警官がどこかに潜んで監視をしているものなのですよ。暴力事件などが起れば警察側の思う壺ですからな。
 わたしがヤジで有名になると、集会への入場をさいしょから断られるようになりました。しかしそんなときは、「公共の建物を使った演説会なのに一般人を入場させないなんておかしいじゃないか」と、役所に苦情を持ち込むんです。その結果として、ある建物の使用そのものを禁止させたこともありましたよ。

兵頭:そんな綿谷さんが、なぜ生長の家にはあきたらず、新風の党員になったのでしょうか?

綿谷:これも話せば長いのです。わたしは、建具の製造事業を始めてから、大きな火事に2回、みまわれています。昭和54年の火事では、借金が急に5000万とか1億に膨らみました。
 もうダメかと思ったぐらいでしたが、当時、創価学会と喧嘩をしていましてね。創価学会の連中から「それ見れ」と言われるのは悔しいものだから、頑張ったんです。生長の家では、すべての宗教と仲良くしろと言っていたけれども、創価学会は、他宗を認めません。泥棒よりもまだ悪いなどと他宗を罵ります。
 火事の後の窮境で、わたしは、生長の家の一員としての自覚が浅かったのかな、と、自己反省をすることになりました。従業員を何人も使うようになってからは、組織の活動は、ほとんどかえりみていませんでした。そこで、あらためて生長の家の組織の中の諸活動をいっしょうけんめいにするようにしたんです。
 そしたら、奇跡が起きたのですよ。明日の手形が、もう、どうにもできそうにない。そんなときにです。今までなんぼ頼んだって「貸さない」の一点張りだった人が、急に「貸してやろう」と言って来ました。他にもいろいろなところから、「おまえ、苦しんでいるそうだから……」と、援助の手が、さしのべられたのです。「カネはないけど手形で貸してやるよ」とおっしゃる人もいました。お金の総額は、1000万や20000万ではきかないですよ。「こんなことが本当にあるのか」と思いましたがね。「これは信仰のおかげだ」とわたしは思った。
 その実体験を生長の家の新年会で語っていたら、あるとき地方講師が、「その話を、谷口清超さんや谷口雅宣さんの前でしろ」と奨めるわけです。

兵頭:生長の家の創始者の二代目と、三代目の方でしょうか。

綿谷:そうです。ついに2名が呼ばれて、1名が7、8分話すことになりました。ところがその1名がたまたま風邪で休んだため、わたしが予定の倍の長さの話をしていいことになった。そこでわたしは、貰った時間で、「大東亜戦争は立派な戦争でした」という熱弁をふるった。このお話は、地方の集りでは、それまで、誰からも反論されたことなどないものでした。
 ところが、なぜか谷口雅宣さんからですね、「他の人の話はよかった。が、おまえの話はおかしいんじゃないか」と批判を受けてしまった。
 その後ですよ。雅宣先生がさらに、月刊『理想世界』という生長の家の宣伝雑誌上に、〈あの「太平洋戦争」を、良かった、という者がいるが、とんでもないことである。あれは日本が悪かったのだ〉という内容の、寄稿をされたのです。じつは大東亜戦争の是非論については、信徒と、雅宣先生との間に、かなりの論争がございましてね。
 そこに、清超先生も乗り出してきた。〈そんな論争をやっているのはけしからん〉とおっしゃるわけです。〈そもそも日本が真珠湾攻撃という悪業を犯したから、原子爆弾を落とされて何十万人も殺されたので、それは仕方が無いんだ。何十万という数の問題ではない〉というような主旨。
 わたしは憤慨もし、また呆れもしましたよ。「こんなバカな話をするなら、こんな生長の家なんかにはもう居ないわ」と、おん出た。組織の上の幹部と論争しても、わたしが勝てるわけはありません。だから、わたしの方からご縁を切った。それで、今やわたしは無宗教です。
 今年の5月、江別市英霊顕彰会会長に就任しまして、7月に、仏教の法要をしてもらってはいます。けれどもね、仏教の人たちは、なぜか靖国参拝に反対なのですよ。浄土真宗大谷派は、〈千鳥ケ淵は良いが靖国には絶対に行かない〉などと言っている。大東亜戦争が嫌いで、反天皇ですらある。曹洞宗にだって、〈英霊と呼ぶのはやめよう〉なんていう動きがあるのですから。みんなどうかしています。

兵頭:そうだったのですか。しかし生長の家からの離脱が平成の初め頃といたしますと、「新風」の成立までにはまだ何年かインターバルがありますよね。

綿谷:しばらくは必死に仕事をしていましたよ。明日の手形を考える日々。でもさいわいなことに、バブルの影響で、景気が上向いた時期もありました。
 わたしは、故・影山正治先生が主宰されておられた「不二歌道会」にも所属しておりましたが、そこで人から、「新風」について最初に知らされたと記憶します。平成10年より後でしょうね。不二歌道会には、『國民新聞』の山田惠久先生も入っておられました。
 新風の本部に参りまして、わたしは、いきなり「終身党員」になりました。大東亜戦争についての評価にブレが無い党です。それで、ずっと党員を続けておるんですよ。わが国は、悪いことはやってきていないんですよ!

兵頭:新風時代以降の、綿谷さんの政治活動についてお話しください。

綿谷:千代さんが北海道本部代表だったころですと、もう若い党員が20人くらいいらしたので、わたしは何もする必要はありませんでした。それから3回くらい、参議院選挙を手伝ったこと、ぐらいです。
 平成18年まで党費の年額1万円を納めてくれていた人は、12人いたと思いますが、ご承知の不祥事件で、若い人はいなくなってしまいましたよ。ですから先日の札幌でのNHKへの抗議デモにも、北海道本部から、わが党員として参加ができましたのは、わたしと副代表――彼は牛を飼っている酪農家ですが――の、たった2名だけです。

兵頭:それは確かに「壊滅」ですね。

綿谷:救う会、そして日本会議北海道本部の方でもある弁護士の藤野義昭さんが、千代さんの言い分と、金銭的損害を申し立てている方々の側の言い分をそれぞれよく聞いて、どうも千代さんに分が悪いと判定しておられるのですよ。
 それで魚谷さんを呼んで話をしましたが、魚谷さんはやっぱり千代さんの肩を持つ。千代さんを北海道本部の代表ではなくするところまでで、党からの除名ができない。それで藤野先生は怒ってしまって、新風の講師団も辞め、新風とはすっかり縁を切ってしまわれた。

兵頭:選挙を一緒に何度も戦ったことで、魚谷さんには千代さんに対するかなり強い同志意識がおありになるのでしょうね。

綿谷:そんな次第で、昨年の党大会で、もう誰もなり手のなくなった北海道本部代表に、消去法のようにしてわたしが推されたわけです。けれども、こうして杖をついて歩いているこの八十翁が、長くこの代表をやっていて良いとは思っていません。早くもとの健全な姿に立て直さなくてはどうしようもないのですが、……苦慮しております。

 ――――ここまでで、綿谷正氏との問答のご紹介は終わりとしよう。

 兵頭が、このインタビューのあと、札幌の渡邉隆之氏その他に取材した話を総合するに、どうも千代氏ら2~3名の方々が党籍を残しておられる限りは、若い人がふたたび新風北海道本部のために働こうという気になることはなさそうな空気を感じましたね。正直なところ。

 しかし、綿谷氏の飾りの無いキャラクターは、兵頭が以上紹介した通りです。
 これを読んだ北海道の若いみなさん、江別の老活動家としての綿谷氏個人を、すこしばかり、応援してみてくれませんか? 新風とは切り離してね。

 そういう気持ちになってくれた人は、綿谷さんに直接、連絡をして欲しい。
 連絡先は、維新政党・新風 北海道本部
〒067-0005 江別市 牧場町6-5
電話・FAX 011-382-3004
 ……です。

 たとえば綿谷さんはとても一人ではHPを立ち上げることができないんですよ。
 誰か近所の人がボランティアで手伝ってやってはくれぬだろうか?
 そんな期待をしたいと思います。

発売日が確定。都内24日です。

 光人社NF文庫『有坂銃』は、本体620円。
 東京都内の書店で10月24日に出るようです。地方ですとこれより数日の遅れがあると思いますので、ご了承ください。

 同日発売の光人社ハードカバー『近代未満の軍人たち』は、本体1700円であります。
 コンテンツは、以下の通り。中味は、初出時そのままではなく、加筆してあります。したがって、連載記事とは違い、長短があります。
上原 勇作
寺島 健
板垣 征四郎
竹下 勇
永田 鉄山
和田 操
小畑 敏四郎
奥宮 正武
田中 静壹
南部 麒次郎
田中 隆吉
末次 信正
梅津 美治郎
南雲 忠一
高木 惣吉
小磯 國昭
米内 光政
樋口 季一郎
阿南 惟幾
森 林太郎
岩畔 豪雄
兒玉 源太郎
畑 俊六

 このオリジナルの連載は隔月刊の『表現者』にてげんざいも継続中です。幸いにまた二十何回かしたら、『2』を出せるのかもしれません。
 たしか今日あたりに出るはずの『表現者』最新号には「大西瀧治郎」を載せています。佐藤源蔵が「Ⅴ-1」情報に基づいて桜花のコンセプトを最初に発想し、それに大西が同意したのです。そしてその相談には年下の有馬正文が早くから関与していたとわたしは疑っています。海軍の特攻の生みの親はこの三人です。Ⅴ-1サンプルの潜水艦輸送が失敗したために、特攻は爆装零戦を検討するしかなくなったのでしょう。佐藤はサイパンで陣没しました。「命令特攻」散華第一号は有馬の陸攻クルーだったとするのが今では正しいだろうと思います。

 いや~、しかし本土決戦が生起していたら、沖合いの米空母から、コピーのⅤ-1が雨あられと飛来していたんですなぁ……。日本の工場は、鉄製のⅤ-1を、ちゃんとコピーできただろうか?

 レイテ戦以前の特攻思想に興味のある人は、「読書余論」2009-10-25配信号(200円)も是非チェックしてください。

Mr. Dyson's Air Multiplier may vanish all rotors of helicopters

 世間の役に立つ新製品を続けざまに考え付ける人って素晴らしいですね。
 James Dyson氏の扇風機は、航空機の設計を全般的に変えてしまうんじゃないかという予感がします。
 むかし、OH-6の尾部ローターの代わりにターボシャフトエンジンの排気をテールに導いて横向きの孔から噴出させたらどうかという「No-ter」とかいう試行があったと記憶しますが、それはなにか具合がよくなかったらしくて、「没」になっているものと認識しています。しかし、フェネストロンの代わりにダイソン氏の扇風機を装着し(それは真円形にする必要もなく、長楕円形でも長方形スリット状でも良いはずだ)、ターボシャフトの排気と大気の冷たい空気を混ぜてサイドスラストさせるようにしたらどうでしょう。これはうまくいくのではないですか?

 さらに改善努力が投入されれば、効率上のブレークスルーが発見されて、ヘリコプターのメイン・ローターもいらなくなるかもしれません。とりあえず小型UAVをこしらえてVTOL実験してみるべきじゃないでしょうか?

 自身では大発明ができなくとも、それを為す組織をサポートしようというお金持ちもいます。とりあえず、ブラッド・ピット、偉い。
 テクノバーンの2009-10-14の「US Architect creates floating house for New Orleans residents」という記事。
 ミシシッピ洪水被害を二度と許さないぞ、という目論見で、耐洪水の「可泛」な家屋を考え付いたという。その技術集団のスポンサーがブラピ。

 コンクリート土台構造の上に家屋が載っていて、そのコンクリート構造がお椀船のように浮力を保ち、洪水が来た際には、ガイドの柱に沿って垂直に12フィートまで浮き上がることができる。水が引けば、しぜんにまた地面に降りてくる。家が流されない。
 過去のミシシッピ流域の洪水記録をよく調べ、12フィート浮くようにすれば十分だと見当をつけたようです。
 尤も、ハリケーンのまっただなかで避難もせずに木造家屋内に居てよいわけではなく、避難はしなければならないのですが、水がひいたらすぐに戻ってきて、屋根や壁の修理をすれば住むことができる。家屋全体の滅失はとりあえず防ごうじゃないかというアイディアです。

 兵頭いわく。これは第一次大戦中からある「戦時コンクリート標準船」の故智の転用かと思いましたが、地球温暖化問題にも一石を投じますよ。
 というのはグリーンランドと南極の氷が解けるとバングラデシュの沿岸部が海没し、1億人くらいの避難民がインドかビルマに逃げようとするんじゃないかと環境ロビイストらによってさかんに危機が煽られているのですが(イスラミックだから隣国および先進国では難民をひきとらないだろうとハッキリ予想できます)、コンクリート製の「浮かぶ集合住宅」を用意しておけば、この問題の緊急性はかなり遠のいちまうでしょう。ベトナムには船上で生活している人なんて既にゴマンといますからね。

 バングラ低地の海没対策さえできれば、地球の温暖化は、むしろ良いことの方が多くなるかもしれませんよ。特に不毛のシベリアが一大水田地帯と化すであろうロシアは、それが待ち遠しくてしょうがないでしょう。

 アラスカ州、カナダ、グリーンランドが世界の穀倉となり、北極海は地中海リゾートと化し、南極はジャングル大陸化する。海浜土壌が海に混入することによって海草もやたら増える。これって薔薇色じゃね?

 次。ロシアの核先制使用ドクトリンの内容がエスカレート?
 AFPの2009-10-14記事「Russia To Adopt 1st Strike Nuke Policy: Official」がイズベスチア紙を引用して伝えているところによると、ロシアは、局地レベルの通常兵器による侵略にも、核を先制使用する可能性を残したいらしい。
 つまり通常兵器ではCOINし切れないという不安があるのか。米国と違ってカネづまりなのでしょうけど、だんだんとすごいことになっていきそうです。

別宮暖朗先生の新刊が出たよ

 米海軍はいま、大型無人偵察機「グローバルホーク」の洋上哨戒機版である「BAMS」を常駐させて思うままに運用できるような広々とした飛行基地が、太平洋上にはほとんど得られないというので、これから深刻な悩みを抱えそうです。
 米海軍は空軍や陸軍ほど無人化に積極的でなく(というのはおそらく有事に人員が増やされる組織ではないから、平時から人を確保すべしという組織本能が強いのだ)、今のP-3Cをすっかり無人機で代替するつもりはない。
 有人の新鋭機P-8Aと、しぶしぶ、混用しようという方針。
 だから、既製の飛行場では、必要な余積が足りなくなる。とにかくBAMSはデカいのです。

 そこで前原大臣に提案しましょう。赤字の地方空港を、民用としては廃止しちまって、米海軍の無人機用に有料でレンタルしたら?

 ついでに海保(国交省)もBAMSの日本版をつくり、その基地を共用したら良いでしょう。捜索と救難の拠点基地にするのです。

 豪州とニュージーランドのコーストガードは、はやばやと無人機の採用を加速させています。それが合理的だからです。海保は、遅れています。たとえば無人の武装ヘリなしで、どうやって北鮮船を臨検する気?

 こんな話も、次の未来計画本で書いてみたいと思っています。

 さて、きのう並木書房さんから最新刊を1冊いただきましたので早速ご紹介します。
 『「坂の上の雲」では分からない 日露戦争陸戦 ――児玉源太郎は名参謀ではなかった』

 旅順の話を除いた、野戦と外交の評論です。あいかわらず濃密で、勉強になる内容です。これから日露戦争に論及する者にとり、必読参照文典の一つに加わることでしょう。

 またこれで一発、NHKスペシャル大河は、放映開始前からダメージを蒙るわけか……。
 著者の別宮先生も、もうそろそろご退院みたいです。目出度いです。

 内容ですが、井口省吾、ボロカスです。松川俊胤も一緒。児玉はこの二人の部下に作戦を任せるしかなかった。満州軍総司令部ができてから日本陸軍の作戦は逆にスローになってしまっている。満州軍総司令部の愚劣な作戦に隷下部隊が従わなかったことによって日本は勝つことができているのだ。

 得利寺では露兵は1万人死傷したと推定できる根拠がある。しかるにロシア陸軍省の公式発表は過少で、「真っ赤なウソ」。それを日本側『公刊戦史』は敢えて採用し、ロシア側の戦死者が少ないのは三十年式歩兵銃の口径が6.5ミリで低威力だからだときめつけた。だが事実は、日露戦争を通じて特利寺戦こそが日本陸軍の最大の圧勝だった。

 元老では、伊藤博文だけが光っていた。戦争指導部の中で国際法が分かっていたのは、小村と伊藤だけだった。この二人のコンビが、日露戦争をパーフェクトな「自衛戦争」にしたのだ。
 佐橋滋は、自衛隊違憲論の上にホンダの四輪車参入を阻止しようとした、国益などどうでもよかった統制計画主義官僚=井口タイプの勘違い参謀の見本じゃないか……などなど。
 痛快です。

 ところで『voice』連載の堀井健一郎さんの記事には毎回じつに考えさせられることが多いのですが、11月号では、松本清張の仕事のピークが49歳から59歳までの10年であり、司馬遼太郎のピークは39歳から49歳までの10年だった――とのスルドイ指摘が。
 『坂上の雲(六)』は司馬が49歳のときにリリースして完結。『(一)』は46歳のときだった。
 だとしたら当時の40代以下の読者が騙されたのは尤もじゃないかと納得しました。トシをとらないと見破れぬことは、多いです。

 さて、おそらく今月下旬に光人社さんから『近代未満の軍人たち』(ハードカバー)と『有坂銃』(NF文庫)が相次いで刊行されるでしょう。これでNHKスペシャル大河と「坂の上」史観は、またも打撃に曝される。いずれも加筆修正した新版です。ご期待ください!

インドが核実験準備???

 インドについてはモニターしていたつもりでしたが、米国内でこれほど盛り上がっていたとは、気づきませんでした。
 『NYT』電子版2009-10-11社説。「Just Say No」。これはインドに対して警告する内容です。

 いわく。もしインドが核実験したら、2008の米印合意に縛られている米国としては、対印の核燃料販売はできなくなるぞ。
 インドがやれば、パキスタンも実験すると言うに決まっている。そうなったらパキ政府はもうタリバン討伐どころじゃなくなるだろう。

 それに、そうなったら米国の包括核実験禁止条約の批准(これは連邦上院の特権。大統領は条約を調印して帰ってくることができるだけ)もパーだ。

 なぜ1988の核実験を仕切った インドのK. Santhanamは、いまごろになって、あの実験はフィズル(fizzle)だったなんて言い出しているのか?

 NYTいわく、邪推をすれば、インドは、米上院が核実験禁止条約を批准できない環境をつくろうとしているのだ。そうなれば、インドも条約調印を迫られないですむからな。

 すでに182カ国以上が調印し、150カ国は批准もすませた。
 が、条文が定めた9カ国が批准しないとこれは発効しない。その9カ国には米国、シナ、インドが含まれている。

 オバマは上院を説得すると公言しているのだけれども、サンタナムが新しい実験が必要だと騒いでいるので、もうだめかもしれない。インドの原子力委員長は、シミュで十分だから実験無用と言っているが……。
 そしてNYTの結論。インドは経済発展しろ――。

 これについては、AFPの過去記事が早かったと記憶します。
 2009-8-29の「Indian PM Denies Claims About 1998 Nuke Tests」という記事。
 1988の核実験について最近疑いが……。シン首相は8-29にそれを否定。
 なんと、核技師が、あれは部分成功にすぎなかったと言っている。
 出力も公表より低かった、と。 水爆としてはFizzleであった、と――。

 兵頭いわく。この1988インド実験もそうなんですが、直前のパキ実験はもっと疑わしいものなのです。近接した横穴トンネルの中で、5発一度に炸裂させた。そんな実験ってありますかい? ロクにデータなんかとれるわけないでしょ。

 米ソのおびただしい核実験数にくらべて、インドやパキスタンの実験数は回数が少なすぎ、かつまた、その実験の「質」がムチャクチャなのです。
 わたしは、インドもパキスタンも、BMで核を運用する能力はないだろうと疑っています。
 印パは互いにハッタリのBMレースを続けているのです。
 (もちろん北鮮については言うまでもありません。ノドンがそもそも東京には届きません。)

 次。インドが350kmの液体二段式BM×2本の試射に成功したというニュース。vivek raghuvanshi記者、09-10-12、「India Tests Nuke-Capable Missile Twice」。
 Prithvi-II を2発、 eastern Orissa state にて、 10-12に発射した。350km先の別々な目標に、うまく到達した。
 弾頭は500kgまで可能。精度は within a few meters と国防省発表。
 パキスタンの Hatf-III は、 range of 290 kilometers で、固体である。

 他方で、インドの通常戦力は惨憺たるありさまだとか、その割にはオマーン軍の訓練もしてやっている地域の兄貴株なのであるといった新着ニュース、それから、ロシアが米ソ条約の切れるこの年末に複数弾頭の新BMを配備予定で、それが旧単弾頭ミサイルの改造(つまり条約違反)なのか否かの舌戦が展開中で、おそらくこうしたことがオバマ氏のノーベル平和賞と関係があるのだろうとも思いますが、当方多忙につき割愛。

 なぜか米国内では、北京のレアメタル禁輸発表が、かなりの政治的奇襲だったようで、ヘルタースケルター状態で次々と対応が模索されている様子が伝わってきます。

 まず2009-10-12のSHARON BURKE記者による「China Is Calling for Your Cell Phone」という記事。
 タイヤ問題なんか吹っ飛ぶぜ。
 液晶パネル、精密誘導弾、車載レーザ、航空機エンジンにもレアアース。

 考えてみろ。10年前、インド人の 0.2 % しか携帯電話をもってなかった。今は4割、つまり4億人が持っている。米国総人口の2倍だぜ。

 携帯つくるにはindium と gallium が欠かせない。ところがこれらは米国も100%輸入依存ときた。
 WWIIは、the scrap metal と生ゴムが drives したのを思い出そう。※オイ、そこで日本が引き合いかよ! レアアースを獲りに米国がシナに戦争仕掛けるってのか?

 次世代電池に必須の Lithium これは南米に集中。ボリビアに世界の埋蔵量の半分がある。
 ブリキに使われる cassiterite【錫石】は中央アフリカに偏在。クリントン国務長官はこれに言及。

 とりあえず米国にとっては 13 のminerals がcritical であり、別に 39 minerals について評価中。

 同じテーマを別角度から。おなじみの JOHN T. BENNETT記者〔仏語読みすればジョンベネか。同僚から冷やかされとるんだろうな〕による2009-10-12記事「Battling a Mineral Monopoly――As China Tightens Grip, Molycorp Ready To Step Up」
 いわく。シナは今や98%のレアアース酸化物をコントロールしている。※まじっすか?

 しかし米国にも最後の希望があった。それが2002以降、半ば廃れている カリフォルニアのMountain Pass 鉱山だ。ここにレアアースがあるのだ。
 このヤマの復活をペンタゴン/米政府は支援すべし。市場に任せておくと、シナ物との競争に勝てないから、経営がなりたたないからだ。

 じつはアメリカには変な鉱山規制がたくさんあるのだ。環境にうるさかった時代の。採掘拡大の許可とるのに15年とか。
 鉱脈がみつかるまでにも10年かかるんだ。期限30年とか。そんな縛りがあってはダメだ。緊急事態だ。政府の肝煎りでなんとかしろ。ヤマの再開には多額の資金も必要だ。政府が貸してやれ。
 レアメタルを2万トン出ないと全米の需要を満たせない。同盟国分までとなったらその倍を掘りださにゃならん。

 そこで兵頭いわく。日本も海水からレアメタルを回収する事業を始めたらどうだい。これがホントの "sea change"【すっかりさまがわり。海潮による陸地の変形】 だわな。

ご訃報に一驚す。

 「ニュー速+」を偶然開いてびっくりしました。本当なんでしょうか?
 江畑先生ならびに奥様には2004-5-29の海保の洋上式典で一度お目に掛かったことがあるだけでございますが、謹んでお悔やみを申し上げ度く存じます。

いつかはこの時代が来ると思っておった……

 テクノバーンの2009-10-9アップの「Household robots do not protect users' security and privacy」という記事を読んで、己れの迂闊さを慨嘆。1年前に気づくべきだったなぁ!

 ワシントン大の助教授らが1冊の本を書いて無線操縦ロボット・オモチャの危険について警告したというのだがハッキリいってそんな警告はどうでもいい。

 2008-10時点で彼らは、3台の市販トイロボをテストしていた。
 すなわちインターネット経由で無線操縦ができる、昆虫態の装輪ロボットで、ビデオカメラによる撮影、マイクによる収音、そしてまたスピーカーを鳴らすことも可能な「WowWee Rovio」。
 それと同様機能の「Erector Spykee」。
 そして、赤外線で近距離の操縦ができる、機能が一層巧妙化した「WowWee RoboSapien V2」だ。

 著者らは、これらの玩具ロボットが映像&音声偵察活動をするさいに、周囲の人々に対しては何らの光学的/音響的な警報も与えないこととか、映像や音声の無線伝送信号が簡単に他者に傍受され得ることなどを、現代人のプライバシーの危機につながるものだと強調したいらしい。

 おいおい、それよりもさ、これらがみんなメイドインチャイナだってことに深い脅威を直感するべきじゃないのかぃ?
 シナ軍がこのオモチャの機能を延長したら、そのまま軍用偵察ロボットになる。その「訓練」ができる。兵隊のスキルを高められるわけ。
 iRobot 社の PackBot にだって素早く追いつけるじゃないですか。

 そうなったら自衛隊はシナ軍に対してすら「周回遅れ」ですよ。
 数日前の「The Chinese blogosphere has been buzzing about the photo release of a previously unknown UAV (operational?)」という、どこかの記事によれば、シナ軍のUAVはもっかのところ参本2部が一括管理しているらしい。つまりまだ戦略偵察用を主に考えている段階のようです。しかし、パキスタンですら対地攻撃用のUAVをイタリアと共同で作ろうっていう趨勢なんだから、マゴマゴしてたら第三世界以下の原始的な軍隊になっちゃいますぜ、自衛隊は。

 ここは日本の玩具メーカーさんに踏ん張ってもらうしかない、とわたしは思います。
 JSEEOに余裕があれば、わたしは「タミヤ」を表彰したいぐらいなのです。日本のキチガイサヨクが全盛だった戦後の数十年間、軍事研究の若い人材がポツポツと日本社会に供給され続けたのは、まったくのところ静岡県のプラモ業界があったおかげですからね。本来、国家がそれを褒章すべきなのだが、どうせ国家はやらんでしょうから、JSEEOがいつかやりますよ。

 それはともかく、「WowWee Rovio」のようなことが去年からもうできるのであったら、リアル3D戦車戦(もちろん、モータライズド・スケールモデル同士の)だって、すぐに可能じゃないですか。あるいは、リアル・レディオプレーン同士による空中戦も……!

 交戦結果は、ガン・カメラ判定でもいいし、バトラー訓練装置のオモチャ版をとりつけたっていいわけですよ。

 1980年代のエアーガンだって、はじめはデフォルメのトイガンしかなかったのを、日本のガンマニアが、実銃レプリカに発展させたんだ。みんなで応援すればいいんだよ。

 防衛省に無人機導入のヤル気がないんだったら、玩具の世界で先行したら良いのですよ。みんな、この運動を推進しよう!

JSEEOの主張は、すべて『「自衛隊」無人化計画』(PHP)の中に……

 わしはついにアフガニスタン問題を根源から解決する良い方法を発見し、その雑誌原稿を書いておっただよ。
 そしたっけその間にも、言及せざるを得ねえニュースが次々に飛び込んで来やがるだよ。

▼JOHN T. BENNETT氏の09-10-7寄稿「GOP Lawmaker Blasts Obama Team's Missile Intel, Cost Claims」。いわく……

 米議会内では、〈GBI代わりの対イランBM用のSM-3配備のためには9隻のイージス艦が必要だろう。うち2隻が前方展開としてな。1隻の新造は$25 billionだ。旧イージス艦の改修でも1隻につき1~9 billionドルだ。そんな無駄を議会が許すと思うのか。GBIより高価なものはダメだ〉といわんばかりの批判、そしてとうとう〈どうせイージス艦を太平洋から持ってくるしかないのだ〉との示唆まで飛び出したっちゅーこと。

 まさか来月オバマ氏はこれを説得しに来日する?

 次。AFPの09-10-8の驚羅大四凶殺速報。「Russia Plans Shift in Nuclear Doctrine: Reports」。
 ロシアが先制核攻撃を採用だってよ! 窮したねぇ、あの国は。
 おそらく数週間後、オバマ氏とのRe-START交渉の開始前後に全文が公表されるのだろう。

 元KGBのオッサンいわく。大量破壊兵器または、大規模な通常兵器による侵略の損害が生じたときには、ロシアは核を最初に使うぞ、と。
 これは冷戦時代の、核の先制使用はしませんぜという口公約を反転させるものだ、とAFP。

 次。JOHN T. BENNETT氏の09-10-8寄稿「Administration Pursues Early Warning Radar, Trade Treaty Approval」。
 ロシア南部、アゼルバイジャンというこれまでも出てきた、NATOとリンクさせるABMレーダーの候補地に加え、ウクライナにどうじゃという話も出てきた。

 ウクライナとロシアはハッキリいって仲は良くない。米国には好ましく、ロシアには厭らしい案ですね。

 次。アジアなんとかニュースに出ていた、09-10-8アップの記事「Strykers to Deploy to India for Exercise」。
 今月中に米陸軍は17両のストライカーをインドに持ち込む。イラクとアフガン以外では最大だ。
 2年ごしで準備してきた、米太平洋軍とインド軍との合同演習が12日から2週間、始まるのだ。
 これと関係あるのか? 次の記事を見よ。

 『ワシントンタイムズ』紙にSara A. Carter氏の09-10-8アップ記事「EXCLUSIVE: Pakistan plans ambitious blitz to rout Taliban」。
 パキスタン軍が米国から暗視装置を貰って、ヘリコプターを使って、タリバン拠点の掃蕩に乗り出す、と。

 兵頭いわく。できるわけねーだろ。関東軍が満蘇鮮国境からどうやって金日成軍を叩き出したのか、その勉強でもしやがれ。
 さもなきゃ、来月の兵頭記事を読むがよい。ヒンズークシからゲリラを根絶できないのは、装備の問題じゃなくて、道路インフラの問題ですよ。あと4万人増派したってダメ。これはオバマ氏に忠告したい。

 次もアジアなんとかコムから。「Taiwan in talks with Germany over four U- 214 SSK」という記事。
 ギリシャがドイツに4隻発注した燃料電池式の潜水艦の代金を振り込まないものだから、いままで1隻も引き渡されないでいた、その潜水艦を台湾が横から貰おうという商議をしたようだ。

 これは微妙なケースだ。じつはU214型はパキスタンも購入契約する気だと伝えられている。それが本当なら、アメリカ政府は、U214の技術情報がシナその他に洩れても問題はないと考えているのだろう。

 これに関しては、wendell minnick氏の09-10-5寄稿の「Ex-PACOM Official Convicted of Spying for China」という記事も見るべきだ。
 台湾系シナ人が1996退役の元米軍中佐を北京のスパイとしてとりこんだ。この元中佐はとっつかまり、15年の求刑に直面するだろう。
 FBIが"false flag" operation と呼ぶものは、台湾に渡すものだからといって秘密情報をとり、それを北京に渡す。組織から退職直前の男がひっかかる。
 台湾有事の際に、台湾政府と米国政府は暗号通信で相談しなければならない。その暗号は「Type 1 cryptography techniques」といい、米国が提供する。バーガーソンはその取り極めのペーパーに関与する立場だった。
 その暗号に北京は興味があった。

 しかしこの事件で台湾政府は一人も逮捕していない――と。

 兵頭いわく。
 米国は着々とプロ・シナの悪者を訴追しているのに台湾は1人もつかまえていない。台湾はもう北京からの間接侵略に屈服しているのだ。とすればドイツ潜の情報も台湾人経由で北京にダダ漏れすると懸念せねばなるまい。しかしたぶん、米国政府の前に北京政府がドイツに嫌がらせをしてこの話はチョンだろう。
 そもそも台湾はミニ潜航艇くらい国産できる資金力は十分にあったのに、これまでやる気がまったくなかったわけ。日本のバカ右翼のようになにか期待する方が間違ってるのです。

対人用ミニチュア・ミサイルへの一里塚

 David A. Fulghum 氏による「New Weapons Look And Act Strangely」という09-9-30の記事。
 サーモバリック・ヘルファイア!
 すなわち成形炸薬ではなく、固体炸薬と気体爆薬を組み合せ、燃焼速度を抑え、ヘルファイアが貫通した後の密閉空間内の殺傷力を増す。
 チャイナレイクでは、分子の格子状配列をカスタムしてしまうことにより、緩燃で爆発の持続時間が長く、しかもピーク圧力が高いサーモバリック炸薬も追究中。
 コラテラル被害のない誘導爆弾も、チャイナレイクで開発中。
 500ポンド爆弾でSUV×1台を吹っ飛ばして、その周りへは無影響とする。
 旧来の、弾頭と弾底に2ヶのフューズをつけるかわりに、弾長に沿った紐状の信管をとりつける。そして爆弾のどの部分が先に着地したかによって瞬時に最適の起爆を引き起こすようにすればコラテラルは減らせる。

 やはり Fulghum 氏による「/China Lake Naval Air Warfare Center」という09-9-30の記事。
 陸軍の新製品。汎用のミニ・ミサイル「スパイク」はたった2フィート。重さ5.5ポンド。
 歩兵がこれを発射するときは、バックブラストは考えないで良い。初速は時速100マイルで、ゆっくり。
 スパイクの構成は、2.25インチ径の量産品のロケット弾の先に、チープなハンディカムをとりつけたようなもの。
 燃焼時間は1.5秒。それでマッハ 0.85 まで加速され、惰性で3.2km飛翔し、終速は600マイル/時くらいである。

 地対空モードでは、たった1秒で発射準備完了。標的が30フィート以上離れていさえすれば、あたかもショットガンを使うように発射できる。肩打ちだが。なお、12ボルトのバッテリーは必要だ。
 UAVのヘルファイア・ランチャーにもとりつけられる。
 09-6-15には無人ヘリの「ヴィジラント」からも発射テスト済み。

 今年、9度テストして7度成功。そのうち一度は、小型高速ボートの吃水を狙って貫通した。
 目標が時速60マイルで横行していても命中させられる。まっすぐこちらに向かって来る敵や、まっすぐ逃げていく敵ならば、もっと高速移動していたとしても当たる。

 次の目標は、この量産品の納入価格を $5,000-6,000 per missile に抑えることだ。
 修理するなどバカらしいくらいに安くしたい。前線の部隊で簡単な作動チェックをしてみてもし不具合が分かったら、補給処の修理部隊へ後送するのではなく、その場に投げ棄てさせる。そういう兵器。これが陸軍経費の圧縮につながる。

 市販品の流用によってこのコストが実現できる。イメージCCDセンサーなどは100ドルで民生品が調達できるのだ。
 あとでもっと安い市販部品やプログラムソフトが入手できたら、それにすぐ差し替えられるようにも設計してある。
 推薬の発火は光ファイバーのレーザー信号(市販の通信用部品)による。だから静電気や迷走電圧などで勝手に暴発する危険もない。
 やがてすべてのセンサーと回路が1枚のチップに載せられる時代が来る。そうなればこの種の製品はもっと安くなる……。

 兵頭いわく。
 この調子でいけば、歩兵対歩兵の戦闘にミニ・ミサイルが湯水のように使われるようになりますよ。
 そしてこれもゲリラの手に渡るのは時間の問題です。宮内庁は早く皇居の大改造をした方がいいんじゃ……?

 ところでわたくしはテレビを視ていないのですが、シナ軍は、敵UAVのイメージングCCDを韜晦するためのAFV/ソフトスキン用の「デジタル迷彩パターン」塗装(レゴブロックみたいな模様)を、パレードで公表しただろうか? 公開しなかったとしたら、かなり本気で研究中なのに違いない。外国人の広帯域光線カメラの前に生資料を提供したくはなかったのだ。

 日本にはまともな政治家がいないので、残念ながら核武装は半永久に不可能です。ではどうやって対北京の戦略報復力を確保するか。答えはロボット/小型無人機です。ロボットはコラテラルな被害ゼロの選別的大量破壊(対権力直接アプローチ)を可能にする唯一の手段でもあるのです。しかし日本人がぼやぼやしていれば、この分野でも米国の世界支配が確定するでしょう。新刊『「自衛隊」無人化計画』(PHP研究所)をお読みください。近くに図書館のある方は、購入リクエストしましょう!


 JOHN T. BENNETTT 氏による「U.S. Could Send Army Patriot Missile Unit to Poland」という09-10-1寄稿記事。
 国務省幹部が下院(の共和党の)議員たちに語る。パトリオット部隊でもポーランドに出しますか、と。
 ポーランド政府の希望を煎じ詰めると、米軍部隊が国内に駐留し、ロシア軍の侵攻の壁になってくれることに尽きている。だから、米軍部隊なら何でもいいじゃないか。
 ブッシュ計画にはなかったセンサー複数を配備することになるかも。
 〔移動式Xバンドでもなく、固定Xバンド・レーダー基地でしょうか?〕
 GBIは1発25トン。SM-3は1トン前後。よって安いんですよ。

 そこへ共和党員たちの突っ込み。SM-3なんて "a paper missile"(空想上のミサイル)だろう。その改良はイランの長BM完成に間に合うまい。
 だいたい、あと10年も長BMを防がないつもりなのか。その間、欧州に配備されている米軍はどうやって守るんだ?――云々。

 兵頭いわく。日本の国会でどうしてこういう質問が出ないんでしょうね。東京は、1960年代からシナの核弾頭付き中BMで狙われ続けているんですが(そしてノドンは東京には届きません)。日本こそGBIを10発すぐによこせと言わなければおかしいでしょう。

「読書余論」 2009年10月25日配信号 の 内容予告

▼伊呂波会『伊号潜水艦訪欧記』2006
 日本海軍は、対艦用のロケット加速爆弾の実物資料を要求していたのではないかと思われるのだが、本書によって、それは結局届かなかったと察することができる。
 ドイツは戦時中、空襲警戒警報と同時に中波を停止していた。中波ラジオ局は、まさに敵爆撃機にとってのビーコンになってしまうのだ。※現代の敵国は日本を巡航ミサイルで攻撃するのにGPSもマップデータも必要とはしまい。東京タワーのMW周波数とVHF周波数にホーミングさせれば良いだけだ。

▼マックス・ウェーバー『都市の類型学』世良晃志郎tr.、S39
 アジアにおいては、非血縁盟約をさまたげる血縁が強く、産業同盟たる市民は生まれなかった。同じ事情から、キリスト教も不可能であった。

▼レーリヒ『中世ヨーロッパ都市と市民文化』原1964、魚住&小倉tr.S53
 ドイツの都市民主主義は、分権化からけっきょく広域防禦力の弱体化を招いて、三十年間、すべての周辺国の傭兵隊が好き放題荒らしまくり、トドメをさされたのである。〔日本もこの道を辿るのかな? 近畿地方かなりヤバイよ。〕

▼藤田弘夫『都市と権力』1991

▼原田伴彦『都市発達史研究』1984

▼季亜農『中国の奴隷制と封建制』中村篤二郎tr.S31、原1954

▼堀敏一『中国古代の身分制――良と賤』1987

▼長坂金雄ed.『美談日本史 第四巻 産業美談』S15

▼『美談日本史 第八巻 復讐美談』S16

▼『美談日本史 第十一巻 武芸美談』

▼伊藤貞夫『古典期アテネの政治と社会』1982

▼『戦記名著集 vol.11 日露観戦記 弾痕抄』S5
 所収の「弾痕抄 露軍の内幕」。独の戦時通信記者マックス・ベールマン著、斉藤鉄太郎tr.、1904-8-20。

▼中村賢二郎ed.『都市の社会史』1983

▼リクワート『〈まち〉のイデア』前川道郎tr.、1991、原1976

▼高柳俊一『都市の思想史』S50
 ベーコンいわく、「国家については実験をしない方がいい」。

▼藤田幸一郎『都市と市民社会』1998

▼谷和雄ed.『西洋都市の発達』S40

▼原田伴彦『中世における都市の発達』S17-10

▼アンリ・ピレンヌ『中世都市論』佐々木克巳tr.、1988、原19世紀

▼ハンス・プラーニッツ『中世ドイツの自治都市』林毅tr.、S58、原1944

▼ブラウンフェルス著、日高健一郎tr.『西洋の都市――その歴史と類型』1986、原1976

▼宮下孝吉『西洋中世都市発達の諸問題』S34

▼瀬原義生『ヨーロッパ中世都市の発達』1993

▼Milo Roy Maltbie著『都市発達論』M35、杉山重義ed.

▼上田正昭ed.『日本古代文化の探究・都城』S51

▼桐生政夫『都市住宅の防空防火戦術』S18-3

▼東京都総務局基地返還対策室『都内基地のあらまし』1975-12
 戦前は立川飛行場がいちばんよく整備されていたのだが、戦後、ジェット化と大型輸送機の登場でどうにも狭くなってしまい……。

▼津田素彦『射的術』M32-11

▼足立栗園『武士道発達史』M34-6

▼『國文学 解釈と教材の研究』1987-10月号所収、桑原三郎「立川文庫と少年講談の冒険譚の主題――『宮本武蔵』論」

▼『法政大学教養部紀要 人文科学編』1991-2所収、大東俊一「九鬼周造と武士道」

▼森銑三『宮本武蔵言行録』S15-2

▼石田外茂一『宮本武蔵五輪書詳解』S18-6

▼日本文化研究会ed.『日本精神研究 第四輯 武士道精神』S10-1

▼坂本辰之助『日本外戦史 附・兵器考』S10-5

▼竹本尉『日本の弓箭』S17-8

▼江口卯吉『銃剣術』S17-2

▼瓜生喬『江戸時代の武士』M33-11

▼秋山梧庵ed.『武士道叢書』M38-12

▼高橋富雄『武士道の歴史 2』S61

▼高橋富雄『武士道の歴史 3』S61-5

▼小瀧淳『武士道逸話』S15-10

▼高木武『太平記と武士道 日本精神叢書 第42』S13-11

▼『明治文学全集8 福沢諭吉全集』筑摩書房S41
 所収の「明治十年 丁丑公論」と「痩我慢の説」について。

▼渡辺世祐・八代国治『武蔵武士』大2初版、S62repr.

▼西鶴「武道伝来記」、谷脇理史校注『新日本古典文学大系77』所収

▼飛田茂雄『アメリカ合衆国憲法を英文で読む』1998

▼永積安明・島田勇雄校注「古今著聞集」『日本古典文学体系84』1996所収
 弓箭関係の説話について。

▼竹村英輔『グラムシの思想』1975-6
 グラムシは公務員なんか全部かたづけろと叫んでいたのに、日本の共産主義者は大概が公務員だもんだから、その話をスルーし、矛先を天皇制に向け変えているのだと察することのできる本。

▼小倉卯之助『暴風の島――新南群島発見記』S15-12
 戦前は「南沙」などと呼んでなかった。ちなみに著者は『初瀬』が触雷沈没したときそこに乗組んでいたという、貴重な生き証人である。

▼中 正夫『航空の書』S19-4
 本書は、イタリアの自殺飛行隊「デスペレータ」についてレイテ戦以前に紹介していた日本語文献のひとつ。ただし日本人の紹介者は、1940の「イ・ディスペラティ」と、1935~36の「ラ・ディスペラータ」とを混同していたのではないかと兵頭は思うようになった。それについて詳しく述べよう。

▼田尻昌次『元寇』S3
 武器に詳しい。

▼布施秀治『上杉謙信傳』大6

▼柴田眞三朗『航空部隊』S18-10
 著者は陸軍浜松航空隊の草分けの爆撃教官だがS18-5に急死。
 本書には、昭和4~5年に、浜松陸軍飛行学校の教官たちが、「五機一艦相撃[あいうち]主義」の航空必死隊をとなえた――という興味深い証言が……!
 それが本当なら陸海軍を通じても最も早い特攻隊の発案。もちろんイタリア人よりも早い。
 S18前半にすでに離陸時から自爆覚悟で爆弾の風車安全装置を外し、実際に敵艦に突入している飛行機があるのだという見解披露。
 特攻史研究者ならば、この資料は必読。

▼『東京・横田基地』1986
 1970前後の東京からの核の傘撤去に関する米支密約について推理するためには、米空軍の核攻撃機F-105Dおよびその後継F-4部隊の移駐の跡を辿る必要があるだろう。

▼東京都昭島市pub.『基地とあきしま』S47-3
 これもヨコタの話。

▼『続 基地とあきしま』S50-3
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は200円です。
 バックナンバーも1号分が200円で、1号分のみでも講読ができます。
 2008年6月25日号以前のバックナンバーのコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
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