(cache) 事業仕分け結果の詳報(25日) - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 事業仕分け結果の詳報(25日) 

     行政刷新会議による25日の事業仕分け結果の詳報は次の通り。

     ▽環境省

     【温暖化防止国民運動推進事業(地球温暖化防止活動推進センター関係)】センターを通じて行う地球温暖化防止活動推進センター等基盤形成事業費と温暖化対策「一村一品・知恵の環づくり」事業が対象。2010年度予算の概算要求は計11億円で、仕分け人は「国が行うスタイルで今後続けても効果が上がるのか」などとし廃止と判定。

     【温暖化防止国民運動推進事業(その他関係)】クールビズなど二酸化炭素(CO2)の排出を削減する行動の実践を新聞などでPRするCO2削減アクション推進事業(チャレンジ25国民運動関連事業費)(10年度概算要求5億円)は「広報活動の中身が明らかでない」として半額の削減。生物の生息地域を国民参加で調べ温暖化に関心を持ってもらう温暖化影響情報集約型CO2削減行動促進事業(同1億円)は予算要求通りとなった。

     【エコポイント等CO2削減のための環境行動促進モデル事業等】5月から総額3千億円のエコポイント制度がスタートしたことから、08年度から始めたモデル事業(同3億円)は「終了後の展望が明確にならなければ廃止」、モデル事業で得たポイントをエコポイントに交換できるようにする連携経費(同3億円)は廃止と判定した。

     【環境金融普及促進事業】企業の環境への取り組みに応じ金利を決める環境格付け融資を行う金融機関を支援するためなどに1億円を概算要求。仕分け人は「効果が不透明」などとして廃止。

     【子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)】環境中の化学物質による子どもへの影響を10万人規模で調査するため34億円を概算要求。判定は要求通り。

     【民間企業等に対する導入等補助事業等】自主参加型の国内排出量取引制度に参加する企業を支援する「温室効果ガスの自主削減目標設定にかかる設備補助事業」(同22億円)は、国が取引制度の導入を検討していることから予算計上見送り。エコ燃料利用促進補助事業(同4億円)は予算要求通り、太陽光発電などの導入を支援する地方公共団体対策技術率先導入補助事業(同9億円)は自治体で対応すべきだとして廃止、廃棄物処理施設における温暖化対策事業(同18億円)は予算要求の30~40%削減。

     【エコ燃料実用化地域システム実証事業】近畿圏、首都圏、沖縄県の宮古島で実施しており、概算要求は28億円。「効果が分かりやすいところに重点化すべきだ」とし、予算要求は削減。

     【クールシティ中枢街区パイロット事業】概算要求7億円。都市部のヒートアイランド対策として東京や大阪など大都市圏の11街区で実施。民間企業の建物を対象に屋上緑化などを支援する。「環境省がやる必然性がない」「効果がない」などとの批判から廃止。

     【EST、モビリティ・マネジメント(MM)による環境に優しい交通の推進】概算要求1億円。CO2の排出削減を目的に、公共交通機関の利用や自転車通勤などに取り組む自治体や企業を支援。モデル事業としての役割や効果を疑問視する声が多く廃止となった。

     ▽外務省

     【独立行政法人国際交流基金運営費交付金および運用資金】芸術文化交流や海外の日本研究者支援などの事業を実施。要求額は運営費交付金121億円。仕分け人は、文化庁などと重複事業があることや、天下り役員が多額の報酬を得ていることを問題視。「見直すべきだ」と判定した。951億円の運用資金のうち、国費負担分942億円については「外交関係に悪影響を及ぼさないよう精査」した上で国庫返納を検討すべきだとした。

     【国際機関等への任意拠出金】要求額は28機関向けに計39億円。外務省は絞り込んだと主張したが、判定は既存事業との重複を整理するなど「見直すべきだ」。仕分け人からは、国際連合大学などについて「存在意義や活動実績が希薄」との指摘が相次いだ。拠出金のうち所要額を上回る分については国に返還することも求めた。

     【在外公館の維持・運営に関する経費】大使館や総領事館の施設費や人件費などが中心で、概算要求額は1211億円。人員面など大使館の規模のコンパクト化や海外駐在職員の手当削減などで「見直すべきだ」と判定した。各国の大使公邸のうち84カ所にプールがあり、26カ所にテニスコートがあるなど過剰な設備も問題視された。

     【広報関連経費】国内外に情報を発信する経費で要求額は15億円。「外交フォーラム」など民間出版社が発行している雑誌を買い上げて、図書館などに無償配布する事業(同2億円)の廃止などで「2~3割を削減すべきだ」と判定した。仕分け人からは「予算の使い方が異常だ」と批判が集中。インターネット主体の情報発信に切り替えるなどの見直しを求めた。

     【招聘事業】海外の要人・文化人や報道関係者を日本に招く事業(同10億円)について「3分の1程度を削減すべきだ」と判定。仕分け作業では帰国後に日本に関する報道を行わない記者が約2割いることや、文部科学省の事業との重複が問題視された。留学経験者を再び日本に1週間程度滞在させる事業には「国費で同窓会をさせるのか」との批判が集中し、廃止すべきだとされた。

     ▽経済産業省

     【国際エネルギー消費効率化等モデル事業】発展途上国に対し、日本の省エネルギーや新エネルギー技術の移転・普及を図る全額国費のモデル事業。要求額は102億円。仕分け人は、事実上、民間企業に対する技術の販売支援になっていると指摘。企業にも負担を求めるなどの「見直し」が必要と判断した。

     【低炭素社会実現プロジェクト】情報技術(IT)を活用した次世代送電網「スマートグリッド」の国内実証実験を行う。要求額は16億円。仕分け作業では、海外での実証実験なども含めると予算が120億円に膨らむことが判明。「事業目的が明確でないのに巨額過ぎる」との批判が相次ぎ、「来年度の予算計上見送り」と判定された。

     【安心ジャパン・プロジェクト】医療機関や介護事業者、フィットネス産業などが連携した新しい健康サービス産業の創出を目指す内容。事業を公募し支援する。要求額は32億円。判定は「廃止」となった。民間企業の事業と重複する面もあり、仕分け人からは「国費を使ってやる意味が分からない」との意見が相次いだ。まずは法制度や規制の見直しで対応すべきだとされた。

     ▽文部科学省

     【国立大学法人運営費交付金】国立大は授業料など自己収入と交付金で人件費を含む経常経費を賄う。要求額は1兆1707億円。教育研究に必要な予算は確保すべきだとしたが、民間的な手法の導入でさらなる経費削減や国立大が法人化したことの是非も含めて検証し、将来的な交付金の位置付けを考えるようにとの意見が出た。15人全員一致で見直しと判定した。

     【大学の先端的取り組み支援】世界をリードする研究拠点をつくるため博士課程を対象にした「グローバルCOE」など大学院向け支援2事業(同計365億円)は3分の1の予算削減。大学生の就職支援推進事業など学部向け3事業(同計131億円)も削減と判定した。グローバルCOEは140拠点が対象だが、多すぎるとの疑問が出た。

     【高校大学の奨学金】奨学金返済の延滞額が大幅に増えているとして議論。「教育目的で普通の借金とは違う。返済不要の給付型奨学金を」との意見も目立った。結論として回収を強化しつつ、柔軟な返済方法や給付型の検討も必要と判断。高校生への奨学金は、来年度からの公立高校実質無償化との関係を整理するよう求めた。事業を実施する独立行政法人日本学生支援機構の在り方の見直しも求めた。

     【全国学力・体力テスト】小6と中3全員が対象だった学力テストは、40%の抽出方式にすることで09年度予算の56億円から36億円に減額した。しかし都道府県の傾向をつかめるとした抽出率は高すぎ、「学力の順位付けになるだけ」との意見が出た。今後は子どもの学力の経年比較が可能になるようにし、抽出率を下げるよう求め、予算額の大幅削減と判定。小5と中2全員が対象の体力テスト(同2億円)も、別の調査と重複するため抽出への変更を要求、大幅削減とした。

     【義務教育費国庫負担金】公立小中学校などの教職員給与費の3分の1を国が負担する制度で、概算要求は1兆6379億円。教員の給与水準や概算要求額の妥当性をめぐる議論はほとんどなく、仕分け人からは「国が給与全額を負担すべきではないか」などと国と地方の役割分担に意見が集中。判定は見直しで、明確な方向性は示さずに「国と地方の在り方を見直す」としたほか、教員が子どもと向き合う時間を増やすため書類作成など事務作業を減らすことも求めた。

     【日本原子力研究開発機構】高レベル放射性廃棄物の処分技術の開発(同83億円)は「(選定が遅れている)最終処分地が決まってからでよい」との意見があり、来年度予算計上の見送りを視野に、経産省の処分事業全体の計画を含めて検討を求めた。茨城県で行う国際熱核融合実験炉(ITER)の関連の実験炉研究開発(同32億円)は要求通り認めた。

     【公立学校施設整備事業】小中学校舎の耐震化工事など公立学校の施設整備事業を実施する地方自治体向け補助金と交付金で概算要求は計1085億円。学外にある水泳施設整備なども助成対象となっていることが疑問視され、対象事業を耐震化工事に限定し、予算を削減すべきだと判定。

     【民間スポーツ振興費等補助】日本オリンピック委員会(JOC)と日本体育協会、日本武道館の3団体が実施している選手強化事業などへの補助金計32億円を概算要求。独立行政法人日本スポーツ振興センターもサッカーくじの収益をもとにJOCなどに助成していることなどから、予算は削減すべきだと判定。

      【共同通信】