飯豊町添川の無職、佐原ナツヱさん(75)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された近くの無職、佐原二男(ふたお)容疑者(57)について、長井署捜査本部は、衝動的にナツヱさんを殺害した可能性が高いとみていることが21日、捜査関係者への取材で分かった。捜査本部は、ナツヱさん宅を訪れた佐原容疑者がナツヱさんとトラブルになり突発的に殺害したとの見方を強め、動機を追及する。
また、近所の人によると、佐原容疑者は17日午前に長井市のパチンコ店で遊んでいたという。捜査関係者によると、18日午後に自宅に戻った際は所持金がほとんどなかった。ナツヱさんの財布や預金通帳は盗まれていないが、捜査本部は他に金が盗まれていないか、確認を急いでいる。
一方、佐原容疑者の母親(82)は19日に取材に応じ、「刑務所にいれば人様に迷惑をかける心配もない。一生、刑務所に入ってろと言ってやりたい。これで20~30年は刑務所だから、私はもう一緒に暮らせないだろう。でもこれで良かった」と時折言葉を詰まらせながら話した。そして「昔は素直で良い子だったのに。これから先、どうしたら良いか分からない」と話した。【浅妻博之、鈴木健太】
毎日新聞 2009年11月22日 地方版