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ソマリア、子どもの権利条約批准へ 残るは米のみ

2009年11月23日9時56分

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 【ナイロビ=古谷祐伸】91年から無政府状態で、戦乱の絶えないソマリアの暫定政府が採択20周年を迎えた「子どもの権利条約(CRC)」を早ければ年内に批准する方針を決めた。CRCは193カ国・地域が締約。ソマリアと米国だけが批准していない。

 暫定政府は19日の閣議で、CRC批准法案を早急に暫定議会へ提出すると決めた。アリ計画・国際協力担当相は20日、「我々の努力次第だが、年内実現を望む」と語った。

 国連児童基金(ユニセフ)は「ソマリア中南部の子どもたちは平和な暮らしの経験がない。暫定政府の決意は重要だ」と歓迎している。だが、暫定政府はアフリカ連合の平和維持部隊に守られ首都の一部を支配するだけで、批准しても子どもの置かれた状況が改善されるかは不明だ。

 20日に発表された「世界子ども白書 特別版」によると、ソマリアの5歳未満の死亡率(08年推計)は1千人当たり200人で、世界で4番目に高い。03〜08年に小学校に入ったのは全体の23%。08年までの10年間で5〜14歳の子どもが労働に駆り出された割合は49%に達し、世界で2番目に高い。

 アリ担当相は「武装勢力や軍閥が子どもを戦闘員にしている実態がある。早期に批准し、暫定政府が合法的に認められていることを国際社会に示したい」と話している。

 90年に発効したCRCは子どもの生存、発達、保護、参加の権利を盛り込んでいる。米国が批准していないのは、両親の子育てに国連が介入しかねないことへの懸念や反発が一部にあるためだ。

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