温暖化をもたらす温室効果ガスを減らすための話し合いが12月にデンマークのコペンハーゲンで開かれる。京都議定書に代わる新しいガス削減の約束を決める予定だが、先進国と途上国の対立、排出大国のアメリカや中国の動きなど、不確かな部分も多い。鳩山由紀夫首相が「25%削減」を世界に約束した日本は交渉をリードする構えだが、話し合いはうまくまとまるのだろうか。
二つの世界地図は、どこがちがうだろう?
下の地図のアメリカ、中国、インドなどが、ほかの国とは色がちがうわね。
うん。上の地図は京都議定書で温室効果ガスを減らすことを約束した39カ国さ。下はガス排出が多い上位13カ国を示している。赤色の国は京都議定書に加わっていないか、加わっていても削減の義務のない国なんだ。
温室効果ガスをたくさん出しているのに、減らす約束をしていない国が結構あるのね。
そうなんだ。世界の排出量を減らすためには、こうした国にも削減の約束に加わってもらう必要があるよね。京都議定書の次の取り決めをつくる12月の話し合いは、そこが大きなポイントなんだ。
■京都議定書……温室効果ガスの排出量を、2008~12年の間に先進国全体で1990年に比べて約5%減らすことを義務づけた。国連の気候変動枠組み条約に基づき、97年に京都市で採択された。日本6%、アメリカ7%、欧州連合(EU)8%など国・地域別に削減の目標を決めたが、アメリカはその後、脱退した。183カ国と1機関が締結。
・温室効果ガス……太陽の熱を地球の大気にとじこめ、地表を温める効果を持つガスのこと。二酸化炭素(CO2)、メタン、代替フロンなど6種類のガスを指すが、CO2が大部分をしめる。
ニュースがわかる 2009年12月号
2009年11月20日