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環境教育―「EM(有用微生物群)の力」の授業


大阪/松藤 司


写真や図、実物を使ってEMの有効性を紹介する授業。



1,準備物

   ・EMの液とEMぼかし

   「地球環境教育の本シリーズー地球を救う微生物EM」第1,3,4,6巻

2,授業の展開

 第1時

第4巻P67の写真を2カ所に提示する。(説明部分は隠す)

指示1 この写真を見て,思ったこと,考えたことをノートに書きなさい。

 7分ほど時間を取って,少ない子から前で全員発表。

発問1 体によくないのに,農薬をなぜまくのですか?

 数人に聞く。

説明1 農薬が体によくないことは,ここに書いています。読みます。

農薬が体の中にたまっていく。(生物濃縮)

指示2 もう1枚写真を見せます。思ったこと,考えたことをノートに書きなさい。

第4巻P12・13の写真を見せる。(2カ所掲示)

 5分間時間を与える。全員発表。1枚目の写真と比べての発表が多く出る(少ない子から)。子どもたちからは「水をまいている」が出るだろう。

説明2 これをまいたらこんなにたくさんのトマトができました。
発問2 さあ,何をまいたのでしょう。やっぱり水をまいたのですか。

第4巻P4P5の写真提示

何人かに意見を聞く。

「水ならこんなに実らない」「水に肥料をまぜてまいている」が出るだろう。

第3巻P16P17の写真を見せる

発問3 生ゴミとこの液をまぜて土の中に埋めて,里芋を育てたらこんなに大きくなりました。この小さいのがふつうの大きさの里芋です。さあ,何をまいたのでしょう。

ここまで待たせたら十分子どもたちの関心は高まっている。

次のように板書する。                 

  EM(有用微生物群)

発問4   「有用」ってどういう意味ですか?
発問5 「微生物」ってどういう意味ですか?
発問6 「群」ってどういう意味ですか?

国語辞書(前もって机上に置いておく)で調べさせる。

   有用……役に立つ

   微生物……小さな小さな生き物

   群……集まり

第1巻P4P5の絵を模写した紙を提示する

説明3 微生物は1mmもないほど小さいので目に見えません。大きいものでも0.5mmほどしかありません。しかしこの地球上で一番最初に出てきた生物で,私たちの大先輩に当たるのです。住んでいるところも,空気中,土の中と様々です。

ここでEM液を見せて,「みんながトイレ掃除の時に,この液を薄めてまいて,トイレの臭いを取っているのがEMです。」

と話す。

「地球が現在の環境になるまで」の資料提示

1から6までを読み,黒板に貼っていく。

発問7 微生物は私たちのすぐそばにいます。私たちが食べたりする物の中には微生物で作られた物があります。微生物で作られた食べ物にはどんなものがあるでしょうか。

第1巻P8P9P10P11を提示

なっとう(納豆菌),みそ(酵母菌),つけもの(酵母菌),パン(イースト菌),ヨーグルト(乳酸菌)日本酒(こうじ菌・酵母菌)

説明4 でも微生物は人間にいいものだけではありません。人間によくない物もあります。たとえばインフルエンザのウイルスがそうです。これら菌などもそうです。でもEMは人間に役に立つ微生物の集まりです。

第1巻P6の絵の模写絵を提示する

発問8 土の中にも微生物はいます。土の中のどのあたりに微生物がいるかを調べてみました。(図を提示しながら)地面から10cm,30cm,50cmのところにソーセージを埋めました。1ヶ月後,どのソーセージが一番よく減っているでしょう。一番よく減ったところに微生物が多くいるのです。さあ,どれでしょうか。

適当に聞いて全員挙手させる。すぐ横に答えの絵を提示する。

説明5 だから,種をまいたり,苗を植えたりするのに,あまり深く植えるのはよくないのです。

ここまでで1時間。

第2時

できれば生ゴミをビニル袋に入れて提示する。

発問1 これは何ですか。

 子どもたちから「生ゴミ」と出るだろう。

黒板に次のようなサイクル図を書く。サイクル図を書きながら説明を入れていく。

説明1 私たちは自然から食料をもらっています。その食料を加工したり料理したりして,食べています。加工したり料理したり,食べ残したりすると,生ゴミが出ます。その生ゴミを自然に帰れば,問題は起こりません。しかし,現在,このサイクルのどこかがプッツンと切れています。

発問2 このサイクルのどこが切れているのですか。

 子どもたちから,「生ごみと自然の間」が出るだろう。いろんなところがプッツンしていると出た場合、「生ごみと自然の間」だけ取り上げる。

説明2 そうです。生ごみと自然の間がプッツンしているのです。生ごみはそのままにしておくと腐ります。臭い臭いがします。腐るのは腐敗菌という微生物のせいです。この微生物は人間によくない悪玉菌です。

発問3 ではこの生ごみを自然に帰すいい方法はないのでしょうか。 

子どもたちに聞いてみる。ひょっとしたら知っているかもしれない。コーンポストのことが出るかもしれない。

説明3 <第3巻P14>この写真を見て見ましょう。土の上にEMで発酵させた生ゴミを入れます。その上に黒土をかぶせて何日か置いておきます。この写真のように約1ヶ月後,卵の殻以外は土になっています。

第3巻P13>も見せる。

発問4 このEMで作物を育てると,とてもいいことがあります。どんないいことがあるでしょう。勿論,農家の人にとっても私たちにとってもです。

たくさん実る。<第4巻P4

おいしい。実が大きい。<第4巻P24

薬の害がない。

早くできる。<第4巻P18

作物が丈夫。病気にならない。<第4巻P20

虫がつかない。<第4巻P20

作るのが楽。(雑草が生えにくい)<P22

連作(毎年同じところで作物が作れる)<P16

説明4 それだけではありません。EMは鉄をさびにくくしたり(第1巻P16),濁っている水をきれいにしたり第1巻P28)する力もあるのです。
発問5 EMは日本だけで使われているのではありません。世界でも使われています。何という国が何に使っていると思いますか。

第9巻―世界に広がるEM,P4

アメリカー農薬によってやせてしまった土地をEMによって読みがえさせた。

ブラジルー家畜の糞をEMの力で利用している。



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