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魚パワー


齋藤一子(TOSS SANJO)

脂肪のとりすぎを解消する、魚の脂肪のパワーについて知らせる授業。2004.9.25第3回たくみ講座での模擬授業。


 ●は、パワーポイントのクリックタイミング

発問1 ●焼き魚、ステーキ、おさしみ、ハンバーグ、煮魚、とんかつ。
 どれが好きですか。二つ選んで手を挙げます。

発問2 肉や魚には、体にとって大切な脂肪・あぶらが入っています。
  肉や魚の脂肪を見たことがある人?(挙手)

説明1 ●これは肉の脂肪、ステーキ1枚分23gです。●これが魚の脂肪、さんま1匹分20gです。すきとおった液体です。

発問3 脂肪はいろいろな食べ物に含まれています。●昔と比べると今は脂肪のとりすぎになっています。
 脂肪をとりすぎるとどうなると思いますか?(指名)

 

説明2 ビデオを見ます。血管の中です。上が血管の壁です。黄色いのが脂肪です。その脂肪が、血管の壁に入りこんで厚くします。血液の通り道はせまくなり、流れが悪くなります。これをドロドロ血といいます。(ビデオ)

 ビデオがない場合、「三共製薬HP」http://www.sankyo.co.jp/medemiru/life/hl/hl01.htmlの高脂血症の血栓の画像を提示するとわかりやすい。

説明3 ●血管の実物です。脂肪が詰まっています。(縦に切った画像)

説明4 ●血管を横に切ってみました。通り道はこんなに狭くなっています。

説明5 ●脳です。とうとう血管が詰まって脳細胞が死んでしまいました。

説明6 ●心臓の血管が詰まってしまいました。心臓病で亡くなる人はガンのつぎに多いのです。

説明7 現在日本人の大人の二人に一人は、ドロドロ血の状態だといわれています。
流れが悪くなっても痛みはありません。血管の詰まりは、ある日突然やってきます。

発問4 ●肉も魚も脂肪がたっぷりありました。肉や魚をたくさん食べていると、ドロドロ血になるでしょうか。なる、ならない、で手を挙げます。

説明8 (ビデオ)肉をたくさん食べて血管が詰まってきた人のビデオです。   こちらは魚。サラサラです。

 ビデオの代わりに、『生活習慣病』(少年写真新聞社)の血管画像のカラーコピーでもよい。

発問5 なぜこうなるのでしょう。先ほど見せたステーキの脂肪とサンマの脂肪です。どうなっていますか。(脂肪の実物を見せる。)

 肉の脂肪と魚の脂肪をとりだしたものを提示する。

説明9 ●魚の脂肪は、固まりません。EPAエイコサペンタエン酸という種類の脂肪が入っていて、固まらないようになっています。

発問6 魚の脂肪にはもっとすごい力があります。どんな力だと思いますか。

説明10 魚のEPAは、肉の脂肪も体の中で分解してくれるのです。●毎日毎日肉ばかり食べてドロドロ血になっていた人も、●一日おきに魚料理を食べるようにしたら、さらさらにかわったという結果になりました。
魚のEPAは心臓病の薬にまでなっています。(実物)

説明11 心臓病や脳の病気だけではありません。ガンを防ぐ効果もあることがわかりました。魚の脂肪は、病気を予防するパワーをもっているのです。

説明12 ●日本は周りを海に囲まれています。
わたしたちの祖先は、大昔から魚を食べていきてきました。
 肉中心のヨーロッパの人たちに比べて、日本人は心臓病やガンでなくなる割合が8分の1です。魚パワーのおかげだといえます。
 魚パワーは、EPAだけではありません。これから、魚パワーについてもっと調べていきましょう。


◆魚は生活習慣病を予防する!
 「高脂肪高カロリー」「脂肪のとりすぎ」「高脂血症」・・・日本人の食生活の変化は子どもに及んでいます。
 

脂肪過多の食生活は、→脂肪でべとべとの小腸に
        小腸から →吸収されて肝臓へ(脂肪肝)
               脂肪は脂肪酸とグリセリンに分かれて消費されればよいが、量が多すぎるので、肝臓は中性脂肪を合成し、貯蔵される。
               ※中性脂肪は「体内エネルギーの備蓄型」。
                炭水化物もとりすぎると、肝臓によって中性脂肪になる。
      中性脂肪は、→中性脂肪が血中に入ってドロドロ血(高脂血)に
               ※中性脂肪は悪者ではないが、多すぎるのが問題。
                 中性脂肪は血液中の分解酵素によって、分解されるが、多すぎ分解されずに浮遊する。
                 それが、血管壁を傷つけ、血栓(プラーク)を作ったりする。



魚の脂肪は、救世主
 脂肪の中でも、魚の油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)(多価不飽和脂肪酸)は、血中の中性脂肪を分解・排泄させる。
 EPAの必要量は、一日1g。マイワシ一匹分(100g)。
 一回200gの魚を食べると週3回たべると、一週間の必要量をまかなえる。

◆魚は和食の基本型。日本人に欠かせない食品。

 一日おきの魚パワーで、中性脂肪を減らすことができる。同じ油でも 魚の脂(あぶら)はちがう。

         ↓
 魚を食べる食卓。魚のある献立。魚を食べる食生活。

         ↓
  和食。食を気にかけた生活。
 ◎日本の魚の摂取量は、世界第5位。
 ◎欧米諸国に比べ、心臓病などで亡くなる割合は、4〜8分の1。


◆授業化にあたって
 @魚の脂肪が肉の脂肪を変化させるプロセスを見せたい。
 ▲EPA(不飽和脂肪酸エイコサペンタエン酸)は、不飽和であるがゆえに非常に酸化
(変質)しやすい。また、EPAの体内での効果は消化酵素なども関わり、過程は説明が
 難しい。
  脂肪の融点の比較は、脂肪の違いを見せるのに、有効。
                       (新潟薬科大学 倉田教授より)

 脂肪の実物・・・・・肉は、ラードを溶かす。魚は、サンマなどをホイルを敷いて焼き、でてきた油をとる。

 A病気予防や治療にEPAが使われている事実を示したい。
 ◎EPAが血栓を防ぐ薬剤として市販されている。(エパデール)
                          (立川病院 池田氏より)

【参考文献・参考HP】
『生活習慣病』(少年写真新聞社)
『胃腸は語る』(新谷弘実著 弘文堂)
『食が子どもたちを救う』(服部幸應著 集英社)
『食育のすすめ』(服部幸應著 集英社)
『食の教育QA事典』(戸井和彦編著 明治図書)
『高脂血症にご用心』(宝くじ協会ビデオ)
「三共製薬HP」http://www.sankyo.co.jp/medemiru/life/hl/hl01.html
「お魚アイランド」http://www3.jf-net.ne.jp/seafood/island/sakana.htm
「フィッシュワールド」http://www.fishworld.or.jp/nutrition.html
「健康ネット」http://www.health-net.or.jp/
「食育コム」http://www.e-shokuiku.com/
「脂質と血栓の医学」http://www.geocities.co.jp/Beautycare/2308/index.html
「お米データベース(PFCバランス)」http://www.gohan.ne.jp/okome-data/05/556.html
「エパデールについて」http://www.j-health.jp/main/trial/j-kusuri/junkan/02/junkan02.htm
「心原性脳塞栓症について」読売オンラインHP
「ヘルスネットメディア」HP
「国立ガンセンターHP」http://www.ncc.go.jp/jp/statistics/2001/figures/f6_j.html
「キッコーマンHP」http://www.kikkoman.co.jp/
「ネスレHP」http://www.nestle.co.jp/wellness/
「あるある大事典」



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