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南谷智昭(TOSS宮崎)
インターネットランドの中でアップされている〈のびた君の授業(低学年)(2210341)〉の修正追試案である。
修正箇所は,最終回のお話ではなく画像を使って授業を行うということと,ドラえもんが動かないと分かったときにのびたの気持ちを考えさせる所を付け加えた
発問 のびた君について知っていることをノートに書きなさい。 |
書けたら発表させる。
説明 のびた君は、みんなが知っているように、ドラえもんに出てくる登場人物です。今日はこのドラえもんの最終回をよんでみたいと思います。静かに聞いてください。 |
プロジェクターで資料を写しながら読んでいく。
〈資料@ 〉
のび太はいつものように、宿題をせずに学校で叱られるなど、いつもの1日を送っていました。
そんないつもの1日・・・ドラえもんが急に動かなくなってしまったのです...。
「ドラえもん、ドラえもん、どうしたの?ドラえもん!」
のび太にはドラえもんが動かなくなった理由が分かりません。喋ったり、叩いたり、蹴ったり、しっぽを引っ張ってみました。なんの反応も示さないドラえもんを見て、のび太はだんだん不安になってしまいます。
付き合いも長く、そして友情で結ばれているドラえもんとのび太。のび太にはどうしてドラえもんが動かなくなったのか、次第に分かってきました。
「ドラえもんは死んじゃったんだ、動かなくなっちゃったんだ・・・」
その夜、のび太は一晩中なきました。
ちょこんと柱を背にして座っている、動かなくなったドラえもん...。のび太はなかなか眠ることができません。泣き疲れて、ただぼんやりしています。無駄だと分かりつつ、それでもいろんなことをしました。できることのすべてをやりました。
そのとき、なんで今まで気付かなかったのか、のび太の机の引き出し、そう、タイムマシンの存在に気がつくのです。のび太はパジャマのまま、ドラえもんの生まれた22世紀へ、タイムマシンに 乗って、どらみちゃんに会いに出かけました。
のび太は、なんとかドラミちゃんに会うことができました。そのとき、のび太は、「やったー、ドラえもんが生き返るぞー!!」と思いました。のび太はドラみちゃんと一緒に、自分の家に戻りました。
のび太とドラみちゃんは、家に戻ってきました。ドラみちゃんは、動かないドラえもんを見て、すぐにお兄ちゃんの故障の原因がわかりました。正確には、故障ではなく電池切れだったのです。電池を交換する、それだけでドラえもんは直るのです。しかし・・・ドラミちゃんは大事なことに気がつきました。交換する電池がないのです...。
「ドラみちゃん!!!はやく治してよー」せがむのび太にドラミちゃんは、静かにのび太に言いました。
『のび太さん、お兄ちゃんとの今までの思い出が消えちゃってもいい?』
のび太ははじめ、理解できませんでした。聞いてみると、なんと、旧式ネコ型ロボットの耳には電池を交換する時の電池がついているのですが、それがなくなっていたのです。
のび太もやっと理解しました。のび太は悲しさのあまり、ひざを突いて泣き崩れました。そして、ドラえもんとのこれまでの思い出を振り返ってみました。初めてドラえもんに会った日のこと、数々の道具を使ったこと、過去へ行ったこと、未来に行ったこと、恐竜を育てたこと、海底で遊んだこと、宇宙で戦争したこと、鏡の世界に行ったことなど・・・たくさん思い出しました。
ドラミちゃんは、のび太に説明をしました。
電池を交換すれば、ドラえもん自身は生き返るが、のび太とのこれまでの思い出が消えてしまうこと、ドラえもんのを作った人は秘密なので、修理してもらうことは不可能であるということ。
のび太は・・・・・
途中、のび太が「ぼくが・・・」というところで資料を読むのを止め発問をする。
発問 このあとのび太はどうしたと思いますか。ノートに書きなさい。 |
書けたら発表させる。
発表後、続きを読んでいく。
〈資料2〉
「ドラえもんはこのままにする 」と一言、ドラみちゃんにいったのです。ドラミちゃんはのび太の顔を見ました。涙を流しながらも、歯を食いしばって我慢しようとするのび太の姿に、ドラみちゃんも涙を流しました。のび太は、さよならもも言わずにタイムマシンに乗り、去っていきました。これは、のび太が小学校6年生の秋のことでした。
それから、数年後...。
しずかちゃんは、のび太とひさしぶりに会うことになりました。近くのファミリーレストランで食事をしました。
久しぶりに会ったのび太は大変身していました。大きい存在感、魅力ある顔立ち、そしてとても力強い言葉、そしてどこか寂しそうにしている目、眼鏡をさわるかっこいいしぐさ、しずかちゃんは久しぶりにあったのですが、のび太を大好きになりました。外国の学校に通っていたのび太は、超一流の大会社に勤めることになりました。そしてまた、大好きだったしずかちゃんと結婚しました。そして、とても暖かな家庭を築いていきました。
ドラえもんが動かなくなってから、のび太はドラえもんは未来に帰ってしまったとジャイアンやすねおに言っていました。そして次第に、誰も「ドラえもん」のことは口にしなくなっていました。しかし、のび太の家の押入には「ドラえもん」が動かなくなったまま、置いてあったのです。
小学生の頃、成績がびりだったのび太ですが、自分なりに必死に勉強しました。そして中学、高校、大学と進みました。大学のときには、1番の成績を取りました。そうです、「ドラえもんを治したい」という一心からでした。
人間とはある時、突然変わるものです。のび太が変わったきっかけは「ドラえもんの電池切れ」だったのです。
のび太は今、機械を作る天才科学者として、今、「ドラえもん」の前に立ちました。どのくらい時間が経ったのでしょう。しずかちゃんが研究室に呼ばれました。のび太が、しずかちゃんでも絶対に入ることを禁じていた研究室でした。中に入ると夫であるのび太は微笑んでいました。そして机の上にあるものをみて、しずかちゃんは言いました。
『ドラちゃん...?』
のび太は言いました。
『しずか、こっちに来てごらん、今、ドラえもんのスイッチを入れるから』
しずかちゃんは、声を出さずに泣き出しました。泣きながら、しずかちゃんはだまって、のび太の顔を見ています。ドラえもんを生き返らせるため、まさにこのためにのび太は機械を作る天才科学者になったのでした。
のび太は、静かに、静かに、そして丁寧に、何かを確認するようにスイッチを入れました。
『のび太くん、宿題は済んだのかい?』
なんと、ドラえもんが動いたのです!のび太としずかちゃんは、ドラえもんと泣きながら抱き合いました。ずっとずっとのび太がのぞんでいたことでした。
そう、ドラえもんを作ったのは、のび太だったのです。
最後まで読み終えたら次の発問をする。
発問 ドラえもんの最終回を読んだ感想を書きなさい。 |
発表をさせる。
発問 この物語から考えさせられる言葉があります。かっこにはどんな言葉が入るでしょうか。 |
天才とは、99%の( )と、1%のひらめきで決まる。(エジソン)
( )の中は努力である。
説明 この物語は作り話ですが、とても考えさせられるお話ですね。 のびた君は努力をしてドラえもんをなおしてあげようとがんばるのですね。 どんな人ものびた君のように、やる気を出して、努力をすれば夢が叶うことができる。 そんなことをこの最終回は教えているかもしれませんね。 |