「恥の文化」を脳科学で授業する 発問と説明
群馬法則化サークル「水芭蕉」 千明 浩己
発問6 | 日本人の脳は、何歳まで成長すると思いますか。 |
11名が「20歳」、4名が「18歳」、「22歳・17歳・死ぬまで・30歳」がそれぞれ
1名であった。
20歳は煙草や酒を飲んでいい年齢なので、そう答えたようだ。
これ、答えは「25歳」である。
答えを言ったあと、次のような説明をした。
説明2 | 日本人の脳は25歳まで成長すると言われています。 しかし、これはとても珍しいことです。25歳まで成長するということは、25歳まで未熟であるということです。動物で25年間も未熟な臓器があるものは他にいません。 |
発問7 | なぜ25歳まで、成長するのだと思いますか。 |
わざわざ25年間も未熟な状態にしておく理由を考えさせたかった。
それにより、人間の社会の複雑さにまで言及させられればよいと考えたが、しかし、生徒には
難しかったようだ。
多くの生徒は無回答であった。
・覚えることが少なかったから ・ばかな状態で生まれてきたから ・良い脳を作るため ・長生きするため |
答えた生徒をほめ、次のように説明した。
説明3 | これは、複雑な人間の社会の中で生き抜くための戦略なのです。 私たち日本人は黄色人種です。黄色人種をモンゴロイドといいます。対して白色人種をコーカソイド、黒色人種をネグロイドといいます。 モンゴロイドは、5万年前コーカソイドから枝分かれした人種です。アジアの寒い地域でも対応できるように、身体が変化しました。 雪の反射による紫外線から身を守るため、皮膚は黄色化しました。また、体温を守るために身体が小さく、体重が重くなる体型となりました。顔の表面積を少なくするため、平面的な顔になり、凍りつきやすい体毛は少なくなったのです。 寒さに対応するために、大型化したコーカソイドとは別の戦略をとったのがモンゴロイドなのです。 モンゴロイドは、さらにもう一つ種を保存させるための戦略をとりました。 ネオテニーという戦略です。これは、幼稚(未熟)な期間を長くとる戦略のことです。これは、教育する期間が長くなり、複雑な人間社会の中で生き残る可能性が高くなることを意味しています。 だから、モンゴロイドはコーカソイドやネグロイドと比べると見た目も幼く見られます。これは、進化・ネオテニーの結果なのです。 モンゴロイドの脳(特に自我など高度な機能を司る前頭連合野)は、25歳まで発達します。25年間もの長い間、教育することが可能なのがモンゴロイドなのです。 |
発問8 | 25年間教育できるのが日本人の脳の特徴です。では、その間、しっかりとした教育を受けないとどうなると思いますか。 |
生徒は「バカになる」「育たない」「赤ちゃんのまま」「発達しない。幼児期のまま」
「脳が死ぬ」等と答えた。
そこで、次のように説明した。
説明4 | 25年間教育できるということは、教育しなければ脳は未熟なままなのです。 日本人などのモンゴロイドの脳は、それなりの教育を受けないと、発達障害という障害をもった脳になります。 特に、前頭連合野は大きなダメージを受けます。 「社会的知性」や「感情的知性」「自我」などを形成するのが前頭連合野ですから、人間的に大きな欠陥を持った人間になってしまう可能性があります。 |
発問9 | ネオテニーという戦略をとったモンゴロイドにとって、教育は大変重要な役割を持ちます。ではどのような教育環境が、モンゴロイドにぴったりすると思いますか。 |
生徒は「金持ち」「ひもじい生活をしているとき」「人と話す」「夜遊び」「人のことを
考える」等の答えが出た。
発問8も9も、大変難しい発問だったため、答えるのは数人であったが、あまり時間をとらずに
先に進んでいった。
どちらも、自分の思いを発表する発問であるため、あまり良い発問とは言えないだろう。やや
授業のリズムが悪くなった。
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