先日、実家に隣接する民家が出火し、全焼する火事があった。実家も壁の一部が焼け、窓ガラスが割れる被害にあってしまった。私は偶然にも帰省中で、いつも取材する立場だったが「まさか自分の身にふりかかるとは」とぼうぜんとした。幸いにもけが人はいなかったが、実家は片づけや修理作業に追われる日々。全焼した一家は、次に住む場所を探すのにも一苦労だ。
「けが人はいません」。普段の火事取材では、警察のその一言で、ほっとしていた私。いくら体は無事でも、精神的にどれだけつらいか。これからはもっと考えられるだろう。(明)
毎日新聞 2009年11月20日 地方版