英国人が社長を務める東京都渋谷区のデータ分析会社「UPRO」が東京国税局の税務調査を受け、2007年までの3年間に競馬で得ていた配当金を申告しなかったとして約160億円の所得隠しを指摘されていたことが9日、分かった。
追徴税額は重加算税を含めて、60億円超とみられる。同社は課税処分を不服として異議を申し立てているもようだ。
国税局は08年に法人税法違反容疑で、同社を強制調査(査察)したが英国人社長が海外に出国したため、告発を見送り任意調査の課税処分に切り替えたとされる。
関係者によると、同社は、騎手や出走馬の血統などを解析する競馬予想プログラムを独自に開発し、結果を予想。倍率に応じて掛け金を変えた上で、ほとんどの組み合わせの馬券を購入するやり方で巨額の利益を得ていたが、これを税務申告していなかったという。
国税局は同社の資産の「保全差し押さえ」の手続きを取ったが、配当などの大部分は親会社がある香港などに移されていたため、追徴税額のうち、差し押さえできたのは二十数億円にとどまったもようだ。