カブール(CNN) アフガニスタン鉱工業省は18日、国内の銅鉱山開発をめぐり同省大臣が中国企業から数千万ドル単位の賄賂を受け取った後、権利を付与したとの米紙報道を否定した。
ワシントン・ポストが同日、軍事情報に詳しい米政府高官の話などとして報じたもので、賄賂は約3000万ドル(約26億7000万円)としている。この銅鉱山開発は、アフガン中部のロガール州で進められているもので、事業経費は約29億ドル。
ポスト紙によると、賄賂は中東アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで2007年12月ごろ、イブラヒム・アデル鉱工業相に支払われたとしている。中国企業への開発権利は同月に付与されたという。米政府高官は銅鉱山開発をめぐる企業選択や事業説明で欧米企業に公平な待遇は与えなかったともしている。
アデル鉱工業相はポスト紙の取材に収賄を否定、鉄道や発電所建設を約束するなど中国企業の開発事業案は欧米企業より優った点を重視したと主張している。
同紙によると、この中国企業は国営のMCCで、首都カブール北部郊外で計画が進む別の鉱業事業の権利獲得も有力視されているという。
アフガン鉱工業省に顧問として務めたことのある米国人は、同省が進める開発事業で世界銀行はアフガン政府の手続きが無視されたことは再三あるとの内情も暴露している。アフガンはエネルギー資源が豊富だが、担当者の無能力や汚職が鉱工業政策を台無しにしているとも指摘した。
アフガンでは19日、カルザイ大統領が2期目の就任式典に臨んだが、政権の根強い汚職体質や指導力の欠如に欧米諸国の不信感は募っている。