糖尿病はインシュリンでは治らない

1 今の糖尿病対策は間違っている

 最近、子どもたちにも糖尿病は増えている。深刻な問題となっている。
 ところで、この糖尿病を治すにはインシュリンを注射すればよいという方法がある。現在でも頻繁にされている。
 これに対してカミング博士は次のように言っている。

今の糖尿病対策(インシュリンの注射や糖尿病療食)は間違っている。数年のうちに、糖尿病対策の革命(高繊維・高澱粉食=自然の未精白穀物)が起こるだろう。

それは、なぜなのか。松本英聖氏の説明をもとにその理由を述べる。

2 糖尿病発病のメカニズム

 ご飯を食べると、だ液の働きで麦芽糖に変わる。しかし、玄米の場合はフスマがあるのでゆっくりと噛まないといけない。胃腸に入っても同様である。玄米の場合、消化がゆっくりと進む。
 それに比べて白米の場合、ほとんど噛まなくても短時間で消化される。特に、白砂糖などは超スピードで消化・吸収される。
 そうなると、膵臓から分泌されるインシュリンが追いつかなくなる。
 どんどん血液中に糖分が吸収されて、血糖値が上がる。
 そこでやむを得ず、余分な糖分は尿として体外に出される。これが食餌性の糖尿病である。これが長く続くと本物の糖尿病になるというわけである。

3 食物と生体生理とのバランスを取り戻さないと糖尿病は治らない

 インシュリンを注射するというのは、一時的に血糖値を下げることに過ぎないのである。
 口からどんどん糖分が入り、すごいスピードで消化されているのが現状である。薬(インシュリン注射)には限界があるし、これに頼り切るというのは本末転倒した考え方といえる。
 要するに、

「元を改めないと意味がない。」のである。

 「元」というのは、食生活のことである。食生活を改善しない限り、治すことは不可能といえる。
 繊維質の多い穀物をたくさんとると、消化にいいという話をよく聞く。それは、なぜか。
 糖分の吸収スピードと膵臓からのインシュリンの分泌スピードが合い、糖質の代謝がうまくいくようになるからである。
 人間の食生活は何万年もの間、こういった形で自然とのバランスがとられてきた。それが、食事の欧米化で崩れている。
 現在、給食にも玄米を使うところが増えつつある。安易に薬に頼るのではなく、「糖尿病対策の革命」を一刻も大規模に早く起こさないといけない。