西脇市が04年から進めてきた市立西脇病院(大洞慶郎院長)の建て替え事業がほぼ完了し、29日にグランドオープンを迎える。最新のがん治療機器や屋上ヘリポートの整備などにより、医療と災害対策の機能が強化され、北播磨北部の拠点病院として新たなスタートを切る。
70年と83年に建てられた旧病棟2棟が老朽化したことを受け、事業はスタート。総事業費約150億円のほとんどは市が負担した。
新病棟の建設と並行して、旧病棟からの医療機能の移転が段階的に進められ、今年3月に引っ越しが完了した。旧病棟は既に取り壊され、現在は駐車場整備や周辺道路の拡幅などに取り組んでいる。12月中にもすべての工事が終わる予定だ。
新病棟は地上5階建ての延べ約2万3480平方メートル。病床数は改築前と同じ320床で内科、外科、精神科など18診療科を持つ。以前から定評のあった脳卒中やがんの治療に加え、今後は産婦人科と小児科を持つ強みを生かして周産期医療にも力を入れる。
29日は市や病院の関係者による式典のほか、市民主体の催し「グランドオープンフェスタ」も開かれる。当日は病院駐車場に移動遊園地が設けられ、西脇病院の小児科医の負担軽減に取り組む市民団体「西脇小児医療を守る会」が、小児科医と子どもたちが遊ぶコーナーを設ける。西脇病院理事室は「今後は市民と力を合わせた病院づくりを一層推進していきたい」と話している。【大久保昂】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2009年11月19日 地方版