関西経済連合会の下妻博会長は、訪問先のジャカルタ市内で産経新聞のインタビューに応じた。

　アジアで関経連が主導し、複数の企業や公的機関が一体となって環境産業に特化した事業を強化する背景について「関西系企業はすぐれた技術をもっているが、パッケージとして販売できていない。複数の組織が一体にならないと、日本は取り残される」と強調。今後は従来の政策提言活動から一歩踏み出し、「ビジネスの連合体」としての関経連を強く打ち出していく姿勢を明らかにしたものだ。

　アジアを環境産業のパートナーとしたのは「関西とのつながりが深い。アジアの玄関口を目指す関西はアジアを深く知る必要がある」と説明した。

　アジアに関連し、ＪＲ大阪駅周辺の北ヤードに建設を予定しているものの、設立合意が１年先送りされた「アジア太平洋研究所」については「必ず設立する」と明言した。一方で「これまでは研究所のあり方など理想論が先行していたが、資金が必要」と資金調達を急ぐ考えを明らかにした。

　また、関西国際空港など関西３空港の一元管理を目指す「関西３空港懇談会」についても「年内に結論を出す」と述べた上で、神戸縮小の議論が出ていることについて「現実を見て判断しないといけない」と苦言を呈した。