資金難に苦しむJ1大分に、2人の再建請負人が派遣されたことが16日、分かった。JリーグからJ2鳥栖、草津などでも立て直しに尽力した元常務理事の熊地洋二氏が派遣された。さらに大分県職員の青野浩志氏が出向で運営会社の大分フットボールクラブ取締役に就任した。
■期間は「無期限」
大分は同日、Jリーグに融資を申請。17日の理事会で審査される。熊地氏は申請時に必要な返済計画書の作成にも携わった。九石ドームが会場の一つとなった2002年のワールドカップ(W杯)日韓大会の際には組織委員会の企画調整局長を務め、クラブ幹部とは旧知の間柄。クラブ関係者は「地方クラブの実情を理解し、サッカービシネスにも精通された方。こちらとしてはありがたい」と話している。
熊地氏の派遣期間は再建のめどがたつまでとしており、期限はない。Jリーグ理事会で融資が承認された場合は、運営費削減と収入増のための具体的な計画づくりに着手する。県から出向してきた青野氏は財務や営業面で助言するほか、県とのパイプ強化にも働きかけることになりそうだ。
■溝畑社長は続投
大分はすでに来季のJ2降格が決まっており、経営状況も債務超過5億5800万円、累積赤字11億円と厳しい。責任をとって退任するとみられていた溝畑宏社長は続投が決定。あくまで「1年でのJ1復帰」を掲げており、立て直しを支えてくれる新規スポンサー獲得に奔走している。
=2009/11/17付 西日本スポーツ=