警視庁が東京都にある娯楽施設の刑法犯発生件数(1店舗あたり)を業種別に調べたところ、インターネットカフェが1.21件で最も多かったことがわかった。同じ個室型で営業しているカラオケボックスの3.4倍。特に、入店時に運転免許証などの提示を求める本人確認をしていないネットカフェでの発生が目立った。
同庁幹部は「ネットカフェの匿名性が犯罪に悪用されている。本人確認を徹底する必要がある」と指摘。都内でネットカフェを営業している22業者に対し、客に身分証明書の提示を求めるよう要請している。ネットカフェで起きる犯罪は窃盗や無銭飲食が多いという。
調査対象は、ネットカフェ▽ゲームセンター▽パチンコ・マージャン店▽カラオケボックス▽サウナなどの公衆浴場の5業種。業種によって利用者の年齢層や犯罪の種類が異なるため厳密な比較はできないが、今年1〜8月の1店舗あたりの発生件数をみると、ネットカフェ1.21件▽ゲームセンター0.91件▽パチンコ・マージャン店0.40件▽カラオケボックス0.36件だった。
このうち最も多かったネットカフェについて、本人確認をしている店としていない店を比べてみると、確認している店は0.73件だったのに対し、確認していない店は2倍を超える1.56件に達していた。
警視庁によると、ネットカフェは都内に561店あるが、本人確認をしている店は38%にとどまっている(8月末現在)。(峯俊一平)