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裁判員裁判:強制わいせつ致傷・被告に実刑/福岡地裁2年6月/裁判員「被害者保護 更なる配慮を」

 強制わいせつ致傷罪に問われた福岡県春日市、無職、安武輝彦被告(25)の裁判員裁判で福岡地裁は23日、懲役2年6月(求刑・同4年)を言い渡した。執行猶予の有無が争われたが、林秀文裁判長は「量刑傾向や被害弁償などを考慮しても、実刑はやむを得ない」と述べた。

 林裁判長は被害者の言い分に沿って事実認定し、「過去の同種事案では懲役3年を中心に実刑も執行猶予もある」と前置き。そのうえで「被害者に強い恐怖感と屈辱感を味わわせ、犯行後も性交渉に応じるよう脅迫した」などと悪質性を指摘した。被告の母による被害弁償(20万円)についても「弁償を申し入れた母をかわいそうに思い受け取ったにすぎず、過大評価できない」と判断した。

 判決によると、被告は4月26日夜、福岡市内の遊歩道で、女性の頭を殴ったり、足をけったりして胸を触るなどし、けがをさせた。 九州・山口初の性犯罪事件を審理した裁判員6人(男性5人、女性1人)と補充裁判員2人(ともに女性)が23日の判決言い渡し後、記者会見した。被害者のプライバシー保護や2次被害防止を強く意識した審理が行われたが、裁判員らからは更なる配慮・工夫を求める声も上がった。

 法廷では、被害者名や事件現場の住所が伏せられた一方、供述調書の朗読を通じて、生年月日などの個人情報を類推できたり、被害状況も描かれた。

 久留米市の男性(66)は「一から十までしゃべらずに、裁判官に書面を見せるだけでもいいのではないか」と注文を付けた。福岡市の50代男性会社員は「女性の体の部位をA、Bなどと言い換えた方が良かった」と更なる工夫を求めた。裁判員だった同市の20代女子学生は「被害者名を起訴状で見たが、覚えないようにした」と振り返った。

 裁判員は中高年男性が多数を占めた。補充裁判員だった久留米市の女性会社員(21)は「出来れば男女半々で、若い人から年配の人までいた方がいい」。性犯罪事件を裁判員裁判対象から除外すべきとの意見もあるが、20代女子学生は「良い悪いは言い切れないが、一般女性の意見が司法に反映されるのは良いと思う」と話した。

 主任弁護人の稲村晴夫弁護士は記者会見し「性犯罪に対する社会の見方が厳しいと実感した。今後、同種事件の量刑は少し厳しくなっていくかもしれない」と指摘。「被害者側の落ち度を主張するような場合、裁判員に反発を買う可能性もある」とも述べた。【【和田武士、金秀蓮、江田将宏】

2009年10月24日

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