7月に放火され、客ら5人が死亡した大阪市此花区のパチンコ店「cross―ニコニコ」が31日、店名を「Ciao」に変更して営業を再開した。
大阪市消防局によると、同店は通路の幅を規定より約20センチ広くしたほか、消火器も定められた以上の数を設置するなど安全対策を講じた。今月15日、通路の幅や誘導灯の設置検査を受け、27日には放火による火災発生を想定した消防訓練も実施。避難の邪魔にならないよう、出玉を自動的に機械で計算し、箱を積み上げないようにした。
犠牲になった後藤春子さん=当時(72)=の義理の弟康雄さん(67)は「店の前を通るたびに事件を思い出す。またパチンコ店ができて気分は良くないが、仕方ない。同じような事件が起きない世の中になってくれれば」と複雑な胸中を明かした。
事件は7月5日夕に発生。現住建造物等放火や殺人などの疑いで逮捕された高見素直容疑者(41)は当時の精神状態を調べるため、鑑定留置されている。