佐賀市は13日、同市大和支所で国民健康保険(国保)税などの徴収担当だった男性嘱託職員(59)が今年4~10月、国保税など計285万円を私的飲食やギャンブルに使っていたと発表した。発覚後の今月11日、自ら退職したという。市は「全額返還された」などとしてこの職員の処分や刑事告発は見送った。
市によると、この職員は昨年8月採用。国保税や後期高齢者医療保険料などの徴収を担当した。今年4~10月にかけて、少なくとも計84件、総額285万3100円を流用した。徴収金の一部を市に納入せず使い込み、後日、別の人からの徴収金で穴埋めしていた。
10月から入った市の滞納調査に隠し通せないと思ったこの職員は「使い込みをした」と申し出た。流用額は全額返したという。
この問題で市は、公金管理が不十分として▽大和支所保健福祉課の課長を10%の減給1カ月▽係長を戒告▽保健福祉部長と保険年金課長を厳重注意--とした。【姜弘修】
毎日新聞 2009年11月14日 地方版