京都が舞台の刑事ドラマは多い。一つ一つのシーンが絵になるし、ストーリーに独特の歴史的背景を織り込むことで、深みが出るからだろう▼毎週のように難解な殺人事件が起きるのは仕方ないにしても、トップの本部長が事件に巻き込まれたり、派手な銃撃戦の末に犯人を逮捕したりもする。「あり得ない」とは思うが、取材していて感じる実態に近い描写もある▼いくつかの作品には新聞記者も登場する。被害者の気持ちを全く顧みない性格だったり、独自取材で犯人に迫ったり。描かれ方はさまざまだが、間違っているとも言えない。果たして自分はどうなんだろう……。つい、見入ってしまう。【田辺佑介】
毎日新聞 2009年11月14日 地方版