政策演説を終え、拍手に手を上げて応えるオバマ米大統領=14日午前10時45分、東京都港区のサントリーホール、林敏行撮影
政策演説を終えたオバマ米大統領に拍手を送る横田早紀江さんと滋さん夫妻=14日午前10時39分、東京都港区のサントリーホール、林敏行撮影
■同名のゆかり、小浜市長も
こんな人たちも招かれた。
「50点。予想通りだもの」。タレントで映画監督の北野武さんは大統領のスピーチをこう採点した。それでも、弁舌の巧みさは心に残った。演説のつかみは、子ども時代に訪れた鎌倉大仏で抹茶アイスを食べた思い出。「日本の総理に比べりゃ、エンターテインメントの国だから見せ方はうまい。おれだったらオープニングは合衆国の曲かけて盛り上げるけど。まあ、忙しいのによくやるよ」
同名のゆかりで大統領を応援している福井県小浜市の松崎晃治市長の姿も。「冒頭で『小浜市の皆さん』と言われて思わず右手を上げてしまった。ぜひ小浜に来て頂きたい」
外務省関連の国際機関に対する背任などの罪で有罪が確定した佐藤優・外務省元主任分析官は、なぜ自分が呼ばれたのか「分からない」。4日前にアメリカ大使館から打診があった。「民主主義によって選ばれたオバマ大統領が、同じように民主主義で選ばれた鳩山首相に変化を期待している。普天間問題の見直しを含め、日本側の対応によっては大きな変化が期待できる」
学生たちや小学生もいた。
津田塾大学の女子学生8人は数日前、大学の海外留学説明会に出席した際、担当者から「プレゼント」と言われて招待状を渡された。3年の米国生活経験がある東京都品川区立第三日野小5年の高居真菜さん(11)は父親と参加。同時通訳用のレシーバーを付けずに、スピーチを聴いた。
「大統領とメディア」の著書がある石澤靖治・学習院女子大教授も招待を受けた一人。「日本の報道を常にチェックしているオバマ政権が、意図を持って招待者を選んだのは間違いない。学生や子どもが招かれれば好感度は上がるし、外務省の現職より辞めた人の方が発言にインパクトがある。幅広い分野、世代の人から感想を聞き、日本の世論を見ようとしたのだろう」