「週刊現代」の記事で名誉を傷つけられたとして、日本相撲協会と北の湖前理事長が発行元の講談社と筆者の武田頼政氏らに計1億1000万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、385万円の支払いを命じた。同誌は前理事長が06年の大相撲名古屋場所で八百長の仲介を指示したと報じたが、志田博文裁判長は「記事内容について事実確認を何ら行っていない」と指摘した。
同誌07年6月9日号は「朝青龍ד綱獲り”白鵬『300万円八百長』を宮城野親方に『指示した人物』」などの見出しで、前理事長が千秋楽の朝青龍-白鵬戦で八百長を仲介するよう宮城野親方に指示し、その内容を宮城野親方が知人女性に話した際の録音テープがあると報じた。【伊藤一郎】
▽北の湖前理事長の話 妥当な判決で喜んでいる。勝訴で協会と私の名誉が回復された。
▽週刊現代編集部の話 証拠提出した録音テープによっても主張が正当であることは明らかであり、裁判所の判断には納得できない。
毎日新聞 2009年11月9日 19時30分(最終更新 11月9日 21時12分)