大阪府八尾市は2日、今春定年退職した元男性職員(60)が、教職員研修の講師への謝礼金などと偽装し、05〜08年度の4年間に公金計約790万円を着服した疑いがあると発表した。元職員は私的流用を認め全額弁済したという。市は近く詐欺容疑で八尾署に告訴する方針。
発表によると、元職員は教職員研修や不登校の相談に応じる市教委の教育サポートセンターで01年度から会計を担当。学校園への通知文を偽造したり、上司の印鑑を無断で使ったりして虚偽の研修会などを設定し、講師への謝礼金などの名目で公金を着服していたという。講師の領収書も偽造していたという。
上司が08年度の決算資料を作成中に不正に気づき、説明を求めたところ、「ギャンブルや消費者金融への借金返済にあてた」と認めたという。元職員は01〜04年度にも200万円以上の公金を詐取したとみられ、詳しく調べる。
市は公金のチェックが甘かったとし、中原敏博教育長は記者会見で「あってはならないことで行政への信頼を失墜させた」と謝罪した。