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横浜市:医療充実PT、メンバーに医師不在 半数が事務職員 /神奈川

 ◇実効性に懸念も

 横浜市が産科医療などの充実を目的に設立したプロジェクトチームのメンバーに、医師が一人も入っていない。医療体制の充実は、林文子市長が8月の市長選で公約に掲げ、特に緊急性のある課題と位置付けるが、市の事務職員がメンバーの半数を占め、現場を担う医師の意見は聞き取りで済ませるという。勤務医不足で医療の現場が疲弊する中、実効性のある政策が打ち出せるのか、医師からは懸念する声も上がる。

 市は10月14日、「産科・小児医療、救急医療体制充実プロジェクト」を設置した。いずれも激務などで医師不足が深刻な診療科だ。市は検討結果を来年度予算に反映し、財源の重点的配分などで充実を図る方針。林市長は同月末の記者会見で「相当な覚悟を持ってやり、最高の工夫をする」と力を込めていた。

 だが、メンバー9人は市職員4人と市立大病院の人事担当職員1人、保健師2人、助産師1人、市の救急指導係1人。診療に当たる医師は含まれない。市都市経営推進課の担当者は「市民目線を重視し、新しいアイデアを出すことが目的。医師は排除したわけではなく、たまたま入っていなかった」と説明。「医師の関与はヒアリングで十分」とする。林市長も11日の定例会見で「ヒアリングはしっかりと反映させようと考えている。信頼いただきたい」と話した。

 これに対し、同市旭区で産婦人科医院を開業する市産科婦人科医会の小関聡副会長は「医師が入っていないことは遺憾で、医師の意見を聞こうとしているのか疑問。ヒアリングをしても、言ったことがそのまま通るわけではない」と懸念する。

 一方、市のヒアリングを受けた医師からは、前向きな見方もある。県立こども医療センターの猪谷泰史副院長は「仕組みが分からないので今の段階では何とも言えない」としたうえで「専門のチームができたのは画期的」。同市大病院の平原史樹・産婦人科部長は「限られた時間と金を考えれば理解できる。いいかどうかは今後を見てみないと分からない」と静観する構えだ。【山衛守剛】

毎日新聞 2009年11月12日 地方版

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