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公金着服相次ぐ むつ市

2009年10月31日

 県内で公金や預かり金の着服が相次いでいる。30日もむつ市の職員や指定管理者の理事による2件が発覚した。

 むつ市は30日、同市大畑庁舎市民福祉課の男性職員(33)が、事務を担当する福祉関連3団体の預金通帳から現金計75万9060円を着服していたことを公表した。市は29日付でこの職員を懲戒免職処分にした。

 記者会見した宮下順一郎市長によると、職員は同課の健康福祉グループの主事で、自身が管理していた日本赤十字社むつ市大畑分区、むつ市防犯協会大畑支部、むつ市大畑町青少年健全育成協議会の預金通帳から、今年8〜9月に8万〜5千円ずつを複数回にわたって引き出した疑いがある。パチンコなどの遊興費のために借金した消費者金融への返済に充てたという。

 職員は9月30日から精神的疾患のため、青森市内の病院に入院していたが、市民福祉課長にあてた手紙で着服の事実を告白し、発覚した。手紙には「してはならない重大な過失を犯しました」と書かれていたという。全額が家族によって弁済され、市は刑事告発はしないという。

 職員は前の職場でも病気休職期間の180日を超えて休職。今年4月の異動で大畑庁舎に配属された。今は退院して自宅で療養している。

 同市はまた、市営牧野(ぼくや)の指定管理者になっている農事組合法人みなみ農園開発(菊池順二代表理事)の男性理事(70)が現金970万774円を着服していたことを明らかにした。

 市などによると、みなみ農園開発は農家39戸から乳牛や肉牛を預かり、牧野使用料の出納管理をしているが、通帳を管理するこの理事と8月末から連絡が取れなくなった。その後、9月7日になって、8月中に何度も現金が引き出されていたことが分かり、9日に通帳だけが同市城ケ沢の永下牧野の事務所に送られてきたという。通帳5冊の残高は計数万円しかなく、ほとんどが引き出されていたという。

 市は07年4月から同開発を4牧野の指定管理者とし、年間2466万円の指定管理料を支払っている。同開発はこの理事が生活費や借金返済のために着服していたとする報告書を市に提出。菊池代表理事は自らに「監督責任がある」として、11月にも同開発の会計に500万円を入れるなど弁済計画を示している。

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