ロイターなども取材

　８日に２万人余が参加して宜野湾市で開かれた「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」について、東京発行の全国各紙の中で１面に掲載した新聞社はなく、地味な扱いだった。一方、県内の報道機関が最大級の展開をしたほか、この日朝刊を発行した県外地方紙はおおむね手厚く報道しており、中央との温度差が際立った。

　朝日、毎日、読売、日経の各紙は、大会翌日の９日付朝刊が休みだったため、同日付夕刊で報じたが、いずれも写真はなく小さな扱い。産経新聞は夕刊がないため、９日までに紙面での報道はなかった。

　第２社会面で扱った毎日新聞は、見出しの大きさが１段と雑報扱い。朝日新聞は２段（２社面）で、読売新聞（同）と日経新聞（１社面）は３段だった。いずれも普天間飛行場を抱える宜野湾市の伊波洋一市長や保守系で参加した翁長雄志那覇市長など、登壇者のあいさつが中心だった。

　ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は全国紙の扱いが小さいことについて、「基地が押し付けられている沖縄の現状を日本全体の問題としてとらえようとしない中央の姿勢を反映している」と批判した。

　比較的大きな扱いをしたのは、ブロック紙の東京新聞。夕刊４面に黒地に白抜きの４段見出しで、ガンバロー三唱をする参加者の写真も掲載した。

　一方、この日朝刊を出した共同通信社加盟の県外地方紙５社は、いずれも県民大会を報道。秋田魁新報など３紙は１面で扱い、ほかの面にも解説やサイド記事を載せた。河北新報など２紙は１面ではなかったものの、複数の関連記事を掲載した。

　外国の報道機関では、ロイター通信やＡＰ通信などが大会を取材。

　ロイター通信は配信記事で、沖縄に基地が集中している現状や普天間移転に関する日米合意などの経緯に言及。その上で、県外移設を求める住民の声や、合意の見直しが普天間返還の遅れにつながりかねないと懸念する自民党県議の話などを紹介した。

平和条例署名１万３０００人
市民グループ　那覇市議会審議へ

　戦争に巻き込まれないため、戦争に協力しない意思を示す無防備平和条例の制定を目指す那覇市の市民グループ「戦争はイヤです！なは市民の会」は９日、制定の直接請求のため必要な署名活動を終え、署名は１万３千人分を超えた。

　来年年明けの市議会で審議が始まる見通し。

　署名人数は、地方自治法で直接請求に必要と定められた市の有権者数の５０分の１、約５千人の２・６倍以上。同会は１６日に市選管へ署名簿を提出する。

　選管の審査や縦覧を経て有効な署名数を確定させ、直接請求後に市長が市議会を開き、審議が始まる。

　同会の西岡信之事務局長は「署名は市の有権者の２０人に１人以上。平和を望む心を条例につなげるまで運動を続ける」と話した。