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県:医師の総合力養成 検討会設置へ /岩手

 医師不足の対策として県は、地域医療に携わる医師を育成する新たな後期研修プログラム策定などに着手した。特定の診療科に限らず、幅広い分野の診察ができる人材を育てる。近く、現場の医師らを交えた検討会を設置し、来年度には具体的なカリキュラムを作成、11年度には育成を始める考えだ。

 県内で主に地域医療を担う中小規模の公立病院は、特に医師確保が厳しいという。県医師支援推進室によると、専門知識や技能が問われキャリア向上につながる基幹病院や、入院施設がなく当直などの負担がない診療所に比べ、医師の異動希望も少なく、退職者の補充もままならない。医療が高度になり、診療科が細分化される中、専門医をそろえることは難しい。このため、総合力のある医師の養成に力を入れることにした。

 今年度は検討会の会合費、約93万円を計上し、カリキュラムの方向性をまとめる。初期研修(2年間)を終えた後期研修医のほか、地域医療に関心を持つベテランの再教育の需要もあるとみられ、育成後の人事配置のあり方も含めて検討する。

 医療機関の機能分担を進める上でも、患者を基幹病院と地域病院のどちらで診るべきか判断する人材としても期待される。同室の根子忠美室長は「専門医の育成と並行して、地域医療の担い手を確保する」と説明する。

 県内では、藤沢町民病院の佐藤元美院長が、幅広い診療科を診る医師として「総合医」を提唱、育成している。佐藤院長は「中途半端な専門医では、総合医の代わりは果たせない」とし、本格的な育成カリキュラムが必要と、問題提起している。【山口圭一】

毎日新聞 2009年11月10日 地方版

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