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<松井秀喜>ジーター認める存在に…「彼はまさしくプロだ」

毎日新聞 - 2009/11/6 0:03
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【ヤンキース対フィリーズ】二回裏無死一塁、先制の右越え2点本塁打を放ち、ジーターと笑顔を交わす松井秀(右)=ヤンキースタジアムで2009年11月4日、本紙特約・太田康男撮影

 松井秀の活躍を誰よりも喜んだのがジーターだった。ウイニングランで場内を一周した際に頭から抱きかかえて祝福した。松井秀も「勝てない時代もチームを引っ張ってきた彼には特別な思いがある」と、同い年の親友について語った。

 数々のスター選手を輩出して大リーグトップの優勝を数えた名門は、90年代の黄金時代が過ぎると、常勝が義務付けられたゆえの落とし穴にはまる。大リーグトップの資金力でスター選手を集めたことで、個の力はあってもチームとしてのまとまりに欠けた。松井秀が入団した03年を最後にワールドシリーズ進出も果たしていない。昨年はプレーオフすら逃していた。

 勝てない時代をともに過ごした2人が共感しあったのは、互いの目指すところが同じ「チームの勝利」だったからだろう。松井秀は「世界一になりたくてヤンキースでプレーしたいと思った。僕が入団してから、それができず悔しい思いをした」と振り返る。松井秀は個人の記録や活躍よりも、チームの勝利こそが何よりも大切と思う。そこで何ができるかを考えて、日本の本塁打王の看板を下ろして、好機に打点を挙げて勝利に貢献することに力点を置いた。

 チームの中で役割を果たそうとする姿勢は、名門復活の重責を担う主将には頼もしく映ったに違いない。優勝を決め、ジーターは「彼は大好きなチームメートだ。彼が考えているのはチームが勝つこと。まさしくプロだ」と賛辞を惜しまなかった。大リーグ屈指のスター選手であるジーターが認めるような存在感。それが松井秀が7年間の大リーグで刻んできた大きな実績だった。【小坂大】

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