民営化で揺れる榛原総合病院(牧之原市細江)の医師の大量退職問題をめぐり、焼津市の清水泰市長は6日の記者会見で、同病院の医師16人に焼津市立総合病院に勧誘する内容の手紙を送ったことを明らかにした。榛原総合病院の管理者である牧之原市の西原茂樹市長は取材に「私に事前に話はなかった。手紙が送られたことは非常に残念」と不快感をにじませ、医師不足問題の深刻さを浮き彫りにする事態となっている。
経営危機に直面している榛原総合病院は、指定管理者制度の導入に向け医療法人「徳洲会」と交渉している。牧之原市によると医師数は1日現在33人だが、このうち指定管理者制度の導入に反発する医師7人は来年1月までに退職する意向を示している。
清水市長によると、勧誘の手紙は2日付で、焼津市立総合病院の太田信隆院長との連名で送った。榛原総合病院の茂庭将彦院長の了解を得て送付したといい、清水市長は「地域医療全体を考え、焼津市に来てもらうことで引き続き地域の患者が診てもらえると考えた」と説明している。【浜中慎哉】
毎日新聞 2009年11月7日 地方版