【カイロ和田浩明】サウジアラビア国営通信は6日、南部ジーザーン州ジャバル・ドゥハーン地区にイエメンから越境攻撃してきた武装勢力をサウジ軍が空爆したと報じた。同地区では3日、イエメンのイスラム教シーア派の一派ザイド派の反政府勢力とサウジ国境警備隊が交戦、サウジ側の1人が死亡し11人が負傷した。イエメン北部では政府軍とザイド派の交戦が約3カ月続いており、周辺国への波及が懸念されている。
ザイド派側は「イエメン領内で攻撃された」と主張、AFP通信によると、サウジ政府関係者もイエメン領内での空爆を確認した。一方、イエメンの国営通信はザイド派側の主張を否定、「両国を対立させるための根拠のない宣伝」との政府軍関係者の発言を報じている。
イエメン北部での政府軍とザイド派武装勢力の戦闘は04年に始まり今年8月に再燃、数百人単位で民間人が死亡したと報じられている。
毎日新聞 2009年11月6日 20時06分