舞台に生きろ

2009年11月07日 00:59

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AKB歌劇団公演もあと3回になりました。

主役4人には、今日終わったことは、風呂に入って忘れなさい。明日はまた新しいく役としての人生を舞台で生きろ。
と教えました。

チームKのリーダーである秋元才加くんは、男っぽく見えるけれで、中にあるものは女の子です。どうしてあんなにムダにがんばるのかわかりませんが、たぶん責任感の強い子なのでしょう。
だからと言って、精神的に強いかというとそうでもない。
メチャクチャもろい。
たぶん、4人のなかで一番もろい。

だから、舞台の袖で毎日震えているのです。
しかし、そのもろさこそ、実は役者に必要な素養だとも思うのです。

舞台は楽しいだけではやっていけません。早くに舞台の怖さを心底味わうことです。
そして、誰も救ってはくれないのだと知ることです。

その怖さを味わい、ねじ伏せたものだけが、お客様のアプローズを受ける資格を得るのだと思います。

彼女は、まさにその一歩を踏み出したのでしょう。

本日は盟友、田中公平先生が見にきてくれました。
「宝石を見つけたね」と、言っていました。
これから秋元才加くん含め、彼女たちがどうなってゆくのかは、このミュージカルのために雇われた身には、心配してもしかたないことなんでしょうが、1ヶ月付き合ってみて、いまは、もっと磨かかなくてはいけないのに、もったいなぁという気持でいっぱいです。

課題としてあるのは、スタッフさんたちがもっと、舞台に真摯に向き合い勉強をして頂きたいということです。
舞台は神聖な場所です。そこにつながる楽屋も稽古場も神聖なのです。
きちんと一礼して入る姿勢が必要です。
その精神が、お客様や役者への愛情や感謝や優しさにつながると思います。

終演後、バックヤードを主役が掃除していました。

「あれ。下級生が掃除するんじゃないの?」
「いえ、気がついたひとがやるんです」
だって。

おれは、こーいう姿勢が好きです。




投稿者: 広井王子



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広井王子
ゲームの企画・プロデュース、漫画原作、TVアニメ企画の他、小説・作詞・フォトエッセイ・舞台演出、そしてラジオパーソナリティなどもこなすマルチクリエイター。



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