「市民が抱く安全への不安を誰も、どこも解消しないまま、どうして急いで始めないといけないのか」
九電玄海原発3号機で始まる国内初のプルサーマルをめぐり、原子炉が起動した5日、計画に反対する市民団体が佐賀県庁や玄海原発、九電本社など関係先に集まり、抗議の声を上げた。
県庁ホールには、古川康知事との面談を求め、3団体約20人が集まった。県側は「公務」を理由に面談を拒み、原子力安全対策課の担当者が対応。反対の署名活動を続けている「NO! プルサーマル佐賀ん会」が抗議声明とともに、「不安の重みを受け止めてほしい」と、これまでの累計で46万7836人に上る署名を追加提出した。
佐賀ん会の野中宏樹共同代表は「高濃度のプルトニウムを一般の原子炉で燃やす安全性の保障や、使用済み燃料の処理方法が未定なことなど、積み残した課題が多すぎる」と憤り、「九電や国、県はどうしてそんなに急ぐのか」と語った。
玄海原発では3団体が抗議声明を提出。周辺では「運転阻止」を叫ぶデモ活動もあった。
また福岡市中央区の九電本社前ではプルサーマルに反対する市民グループ「みらい実行委員会」の約10人が抗議活動を始めた。メンバーの井上伸二さん(39)は「九電は市民に説明責任を果たしていない」と訴えた。
=2009/11/05付 西日本新聞夕刊=