先月半ば、太陽の巨大なプロミネンス(紅炎)が9月下旬に観測されていたとの報道があった。米海洋大気局が数日後公表した9月の黒点数を見ると、紅炎の観測前後にまとまった数字が並んでいた▼昨年9月に黒点がなかなか増えないと報じて以降、毎月データをチェックしている。黒点数は太陽の活動の活発さを表すので、紅炎の発生に「黒点も現れているのでは」と思ったわけだ。ちなみに8月はゼロ▼ほとんどない状態が何十年も続くと、地球が寒冷化するとの説がある。温室効果ガスの「25%削減」に沸く世の中ではすこぶる分が悪いが、科学には政治や経済に左右されない真実を追究してほしい。【朝日弘行】
毎日新聞 2009年11月5日 地方版