平野博文官房長官は5日の記者会見で、歴代内閣が使途を公開せずに使ってきた官房機密費(内閣官房報償費)について、鳩山内閣でも使途や金額を公表しない方針を明らかにした。民主党は野党時代の01年、官房機密費流用防止法案を国会に提出、03年統一地方選政策集にも機密費改革を盛り込むなど、使途の透明性確保を主張していた。
平野氏は会見で、河村建夫前官房長官から官房機密費の引き継ぎを受けたことを明かしたうえで、「報償費という性格上、少なくとも相手があることだし、オープンにしていくことは考えていない。私が責任をもって適切に判断しながら対処する。発表は差し控えたい」と語った。前政権からの引き継ぎの際の残高についても「発表は差し控えたい」と述べた。
官房機密費の必要性については「内閣・政府にとって重要な情報収集、その情報収集に対する対価」と説明。透明性の確保は「私をご信頼いただきたい」と強調したうえで、「可能な限り今でも会計検査院でチェックを受けている」と述べ、使途を公表しなくても、疑義は生じないとの認識を示した。
平野氏は就任直後の9月17日の記者会見で官房機密費について問われ、「そんなものがあるんですか。全く承知していない」と語っていた。