九州電力玄海原子力発電所(玄海町)3号機で始まる国内初のプルサーマルをめぐり、九電が5日に原子炉を起動すると発表した4日、プルトニウムを一般の原発で燃やす計画に反対する市民団体のメンバーからは、怒りの声が相次いだ。
「安全を保証する十分な説明もないまま計画が始まってしまう。不安を訴える市民は置き去りで、一体、誰のための国策なのか」。この日、県庁に計画中止を求めに訪れた「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」の石丸初美共同世話人(58)は原子炉起動を前にこう憤り、プルサーマルを含む国の核燃料サイクルに異議を唱えた。
「止まらなかったね。残念」と肩を落としたのは、「止めようプルサーマル・佐賀」の杉野ちせ子共同代表(57)。杉野共同代表は「使用済み燃料の処理方法が決まらないなど問題は山積。県や電力会社は安全という“宣伝”ではなく、納得のいく説明をしてほしい」と語気を強めた。
この日、県庁では九電佐賀支店が記者会見。石川伸一・玄海原子力担当課長は、原子炉起動を前に「国内初のプルサーマルを進めている大変重い責任を感じている。地元住民の理解を得ながら、安全最優先で進める」と神妙な表情で語った。
=2009/11/05付 西日本新聞朝刊=