ダウン喫し、気合入った――逆転KOの王者湯場

2007年12月06日21時31分

 注目の日本ウェルター級タイトルマッチは6日夜後楽園ホールに満員のファンを集めて行われ、初回ダウン応酬の末王者湯場忠志(都城レオスポーツ)が1位牛若丸あきべぇ(協栄)にこの回1分30秒で逆転KO勝ちした。あきべぇは初黒星を喫し、16連続KOの日本記録ならず。
 今年日本で行われたメインカードの「最高のラウンド」を選ぶとすれば、この日はその最有力候補に違いない。試合開始ゴングからプレッシャーをかけて出たあきべぇ。強打のサウスポー同士が放った右フックがほぼ相打ちにヒットしたと見えた次の一瞬、キャンバスに転がったのは湯場の長身だった。
 しかしダメージはさほど深くなく、チャンピオンはひるまずあきべぇの打ち合いに応じた。ここで湯場の左ロングフックが決まると、あきべぇ前のめりに落ちてダウン。場内興奮のるつぼと化す中で激闘は間もなくフィナーレに。湯場は落ち着いて力のこもった左を放ち続ける。この回半ば近く、湯場はロープにあきべぇを詰めて猛攻。崩れかける挑戦者の顔面になおも湯場の左ストレートが直撃すると、あきべぇ完全にフロアーに横たわり、勝負あり。青コーナーからタオルが入ったが、福地主審はそのまま10カウントを数え切った。
「何で倒れたのか分からない、でもあれで気合が入った。足使っても10ラウンドは逃げ切れないと思い、打って行った。すっきりしました」と勝者湯場。一方若さを露呈して初の挫折を経験したあきべぇは担架で退場したものの、すぐ回復。「万全の体調で臨んだので、悔いはない」と潔かった。
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