労働組合などで作る「労働者派遣法の抜本改正を目指す共同行動」が29日、東京・日比谷野外音楽堂で集会を開いた。集会は昨年12月にも同所で開かれ、雇い止めとなり、職と住居を失った派遣労働者の過酷な実態が告発され、派遣村の出現につながった。失業率が過去最悪のレベルで推移する中、早期の抜本改正を求めた。
集会は「派遣法改正待ったなし」をテーマに、マニフェストで製造業務を含む登録派遣の禁止を掲げた新政権に公約通りの改正を求める内容で約2500人が参加した。民主党の吉川さおり参院議員や社民党の福島瑞穂党首、共産党の小池晃参院議員ら与野党の議員があいさつし、ルポライターの鎌田慧さんは「派遣法は若者の夢と希望を奪った。人間は取り換え可能な部品ではない。抜本改正には労働者の未来がかかっている」などと訴えた。雇い止めで失職した元派遣労働者らも「もう、不安定な派遣では働きたくない」と法改正を求めた。
また、内閣府参与として年末対策に取り組む反貧困ネットワークの湯浅誠事務局長は「穴だらけのセーフティーネットで貧困率は15.7%にもなった。政権交代に意味があるとすれば、人が生きることを支援できるようになることだ。垣根を越えてつながることで社会は変わる」と力を込めた。参加者は厚生労働省へ向け「派遣法改正待ったなし」「公約通り(改正を)実現しよう」などのシュプレヒコールで気勢を上げた。【東海林智】
毎日新聞 2009年10月29日 20時37分(最終更新 10月29日 22時59分)