普天間飛行場の名護市辺野古沿岸への移設について
普天間飛行場について鳩山首相はどうすべきか
日米地位協定について
米軍の日米駐留を定めた日米安全保障条約について
県や政府に取り組んでほしい沖縄の課題
普天間飛行場の嘉手納統合案について
琉球新報社と毎日新聞社は合同で10月31日、1日の両日、米軍・安全保障問題に関する県民世論調査を実施した。米軍普天間飛行場の移設問題に関する鳩山由紀夫首相の対応について「県外・国外移設を目指して米国と交渉すべきだ」が69・7%に上り、米軍再編見直しを掲げる鳩山連立政権に対し、県外・国外移設を求める県民が約7割と多数を占めた。米軍再編で日米両政府が合意した同飛行場の名護市辺野古への移設計画について、「反対」と答えた人は67・0%、岡田克也外相が検討を表明した嘉手納基地統合についても「反対」が71・8%に達した。辺野古移設計画、嘉手納基地統合への「賛成」は、それぞれ19・6%、14・8%にとどまった。
仲井真弘多知事の支持率は39・9%、「支持しない」は36・6%でほぼ拮抗(きっこう)。普天間問題で「県内移設もやむなし」とする対応姿勢への評価が影響したとみられる。一方、鳩山内閣の支持率は62・9%で、「支持しない」の16・1%を大きく上回り、対照的な結果となった。
在沖米軍基地については「整理縮小すべきだ」52・1%、「撤去すべきだ」31・4%で計83・5%。「現状のままでいい」11・8%を大きく上回り、過重な基地負担の軽減を求める声が圧倒的多数を占めた。
米軍の日本駐留などを定めた日米安全保障条約については、「平和友好条約に改めるべきだ」が42・0%で最も多く、「維持すべきだ」は16・7%にとどまった。「多国間安保条約に改めるべきだ」15・5%、「破棄すべきだ」も10・5%となり、1960年に改定され、来年1月で締結50周年を迎える日米安保の見直しを半数以上が求めた。
米軍人の地位や基地の管理運用などを定めた日米地位協定については、「抜本的見直し」を求めたのが57・9%でトップ。「運用改善で対応」13・5%、「新たな条項追加」10・8%と続き、「現状のままでいい」は9・2%だった。
普天間移設問題で沖縄の民意を探る最善の方法については、この問題を争点にした県民投票が56・7%でトップ。県知事選が13・3%、来年の参院選が7・0%、名護市長選が6・0%と続いた。
【解説】民意は「県外」明確 問われる政府の決断
鳩山政権発足後、初の県内世論調査では、県民の約7割が米軍普天間飛行場の県外・国外移設を求めた。普天間移設問題で迷走を続ける鳩山政権に対し、県外移設の方針決定を強く促したものといえる。
米軍再編見直しを掲げて発足した鳩山内閣だが、岡田克也外相が「県外移設は考えられない」と嘉手納基地統合の検討方針を打ち出し、北沢俊美防衛相は辺野古移設容認を示唆している。だが、世論調査では「辺野古移設反対」が67・0%、「嘉手納統合反対」が71・8%に達し、両氏が模索する県内移設に反対する県民の意思が明確になった。
一方、鳩山内閣の支持率が62・9%と高水準を示したのに対し、仲井真弘多知事の支持率と不支持率はほぼ拮抗(きっこう)。「県外移設がベストだが、県内移設もやむなし」と辺野古容認姿勢を崩さない仲井真知事に対する県民の不満も垣間見える。政権交代で劇的に変化した情勢の中、民意を的確に踏まえた知事の政治判断も注目される。
衆院選直前の世論調査では、県外移設と海外撤去を求める県民の割合は55・6%だったが、今回調査では14・1ポイント上昇し、政権交代で県外移設に対する県民の期待値が高まっている状況も示した。
「県民の総意を聞く」と繰り返してきた鳩山由紀夫首相は、「米軍再編や在日米軍基地の在り方について見直しの方向で臨む」と明記した民主党の政権公約や3党連立合意の実現に向け、具体的な取り組みが問われる。
(外間聡)
◆調査の方法=県内の11市と嘉手納町、北谷町、久米島町、読谷村、宜野座村、伊江村の計17市町村に住む有権者を対象に10月31日、11月1日の両日、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは1867件、うち1015件から回答を得た。
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