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中国出身のウイグル人テロ容疑者、パラオ移送へ
このニュースのトピックス:オバマ米大統領
【ワシントン=山本秀也】キューバのグアンタナモ米海軍基地内に「テロ容疑者」として収監されてきた中国出身のウイグル人収容者17人の身柄移送について、西太平洋パラオのトリビオン大統領は10日、AP通信に対して、一行の身柄を受け入れる方針を明らかにした。オバマ政権が過酷な尋問で批判を浴びた収容施設の閉鎖を決めたことで、米政府は身柄を受け入れる第三国を求めていた。
17人は中国・新疆ウイグル自治区を逃れてアフガニスタンに滞在中、米軍の対テロ作戦に巻き込まれ、2002年にグアンタナモ基地内に収監された。米連邦地裁は昨年、17人を米国内で釈放するよう米政府に命じたが、ブッシュ前政権の申し立てで執行が差し止められ、身柄問題が宙に浮いていた。
米政府当局者によると、米国はこれまで、中国への送還を避け、ドイツ、オーストラリアなどと17人の移送問題を協議してきた。同通信によれば、移送交渉を担当するフリード米政府特使が今月初めにパラオを訪れ、暫定的に身柄を受け入れることで合意した。
米政府は、米国の旧信託統治領であるパラオに対し、総額2億ドル(約195億円)の援助供与をこのほど決定。この援助をめぐり、ワシントンではウイグル人一行の身柄引き受けに対する見返り措置との観測が流れたが、米国務省高官は9日、身柄交渉と援助供与の関連づけを否定した。
パラオは台湾を外交承認しており、国交のない中国からの身柄引き渡し要求を回避しやすい利点も、交渉にあたって考慮されたもようだ。中国政府は、新疆ウイグル自治区で分離・独立運動への抑圧を強めており、さきにパキスタンで拘束されていたウイグル人の活動家を中国に強制送還させていた。
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