ホーム残り２戦を借金開催も！？Ｊに融資相談…大分

　Ｊ１大分が資金難のため、今季残されているホーム主催２試合の開催が危ぶまれていることが２日、分かった。Ｊリーグ事務局によれば、１０月末に大分側から「公式試合安定開催基金」の融資について相談があり、その用途は「今年の（クラブ）運営」だったことが判明。残り２試合は、自力開催ができない可能性が出てきた。

　Ｊリーグ事務局の羽生事務局長によれば、大分サイドから「公式試合安定開催基金」の融資について相談を受けたのは１０月最終週で、その用途については「今年の（クラブ）運営」に充てる趣旨の説明だったという。今後、大分が資金を集めることができなければ、川崎戦（２２日）、大宮戦（１２月５日）のホーム主催２試合を自力開催できない可能性が出てきた。

　クラブ運営には主催試合の開催費用も含まれる。その額はスタジアム、入場者数によって異なるが、スタジアムの賃料は一般的に１試合５００～７００万円。さらに警備員、係員などの人件費で１試合当たり１０００万円ほどかかるとみられる。試合後には選手に試合出場給、勝利給などのボーナスを支払う必要があり、その額はさらに増える。

　これまでＪ２草津、岐阜が同基金から融資を受けた例はあるが、Ｊ１クラブからの申し入れは初。累積赤字に苦しむ大分だが、クラブとして運営費は最低限確保しておかなければならず、窮状は深刻といえる。同基金は無担保、低利子で借り入れられることから、返済のメドが立てられれば基本的に融資を受けられる見込み。ただ、大分は来季Ｊ２への降格が決まっており減収は確実。融資を受けても、いばらの道が待ち受ける。

　この日までに大分から事務局に申請書は届いていない。融資には、Ｊリーグ理事会の承認が必要で、早ければ１７日に開かれる理事会で審議される。羽生事務局長は「正式な要請はあれば、検討していく。一番の問題はキャッシュフロー。自ら用立てできることを、Ｊリーグとして願っています」と話した。