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鳩山首相:7200万円申告漏れ 08年株売却、修正へ

 鳩山由紀夫首相が08年に株を売って得た7226万円余の所得を税務申告していないことが分かった。毎日新聞の取材を受けた首相側が調べたところ判明し、明らかにした。首相の事務所は「売却益の扱いに手違いがあった。ただちに修正申告し、(衆院に提出した08年分の)所得報告書も訂正する」と話している。

 政治家の所得や資産を巡っては、確定申告に基づき年間の所得を所属する院に毎年報告する所得報告書▽所有する不動産や株式、定期預金などを選挙のたびに院に報告する資産報告書(増加した場合はその都度補充報告)▽閣僚就任時と辞任時に行う資産公開--などがある。

 首相が05年9月の衆院選後に公開した資産報告書と、10月23日に首相として行った資産公開を比較すると、この間、東急電鉄3万306株▽住友商事2万4209株▽清水建設2万7702株▽三菱地所1万9478株▽キリンビール1万5428株▽三菱電機1万3000株▽東洋紡績1万1240株▽東京電力7805株▽コーナン商事1650株▽王子製紙372株--の計10銘柄15万1190株(10月30日終値で時価計1億2413万円)を売却したり譲渡していた。しかし、株価が上昇し続け確実に利益が出た銘柄が含まれているにもかかわらず、所得報告書への記載はなかった。

 このため毎日新聞が首相側に問い合わせたところ、首相の事務所は「08年分の売却益、売却損を合わせたものを確定申告していなかった」ことを明らかにした。

 申告漏れの額は7226万847円になるという。ただし、10銘柄中どの銘柄で申告漏れが生じたかは明らかにしていない。

 首相の事務所の説明によると、首相が保有する株式は、証券会社が管理して売買のたびに源泉徴収されるため税務申告する必要のない「特定口座」による取引と、親族らから資産として受け継いだまま保有し、売買すれば税務申告する必要のあるものがあった。

 このうち後者については「何十年も前に買い付けられたもので買い付け額も分からないため」(首相の事務所)、08年に景気刺激策として証券税制が改正されて株譲渡益の課税優遇措置などが盛り込まれたのを機に整理することにした。その際「売却益が発生し、その辺の扱いについて手違いがあり」、申告漏れが起きたという。「手違い」の詳細については「お答えできない」としている。

 首相側は、毎日新聞の取材後に税務署へ申告漏れがあったことを伝えたとしており、今後、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」を通じて修正申告の手続きをするという。【政治資金問題取材班】

毎日新聞 2009年11月2日 5時00分(最終更新 11月2日 5時00分)

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